ランディングページ(LP)の最適化 はリード獲得のために不可欠。改善をどう進める?

今回は、BtoBのWebマーケティングで成果を出すために欠かせない、「ランディングページの最適化」を取り上げます。

ランディングページの参考例として、まず以下をご覧ください。

シャノンのランディングページの一例

これは、シャノンのWebサイトにあるランディングページのひとつで、実際のURLは以下の通りです。
https://smp.shanon.co.jp/public/application/add/25877

ランディングページには、「ユーザーに対して何らかのアクションを促す」という機能があります。

今回の記事では、ランディングページ(LP)とは何か、LPを最適化することがなぜ必要かを確認し、効果的なCTAやABテストについても解説していきます。

リードが長らく商談化しない

ランディングページ(LP)とは何か、ランディングページの最適化は何のため?

ランディングページ(Landing Page)は略してLP(エルピー)と呼ばれることもあります。ランディングページ(LP)とは何か、LPの最適化がなぜ必要かを解説していきます。

ランディングページ(LP)には、広義と狭義の意味がある

ランディングページには広義と狭義の意味があります。

広義のランディングページとは、ユーザーが広告やメール、検索結果をクリックしたとき、最初に見るページです。「Landing」は着地の意味で、ユーザーが着地したページ、という意味になります。

ランディングページはWebサイトのトップページにする場合もありますが、ユーザーが見た広告や検索結果に対応する「資料請求」「ウェビナー案内」などのWebサイト内の特定ページや、ユーザーの訪問意図に合わせて作成された専用ページをランディングページに設定することが多いです。

狭義のランディングページは、ユーザーに申込や購入など何らかのアクションを促すために自社製品やサービスの情報をまとめたページのことです。

最初に示したサイトイメージは、ユーザーがページ遷移を行うことなく申込や購入ができるフォーム一体型のLPで、「資料ダウンロード」を促しています。

ページ構成は、左側に申込をしてほしい資料情報を掲載し、右側にユーザー情報を入力するフォームとボタンを設置しています。

ランディングページがユーザーに促す機能としては、ほかに以下があります。

  • 商品の購入
  • セミナー申込
  • 会員登録

つまり、ランディングページは集客や売上のために重要な役割を持つページです。

狭義のランディングページは、Web広告をクリックしたときに遷移して、そのまま商品の購入ができることが多いです。

ランディングページの最適化(LPO)とは? なぜ重要なのか

ランディングページの最適化(Landing Page Optimaization、LPO)とは、ランディングページのCVR(コンバージョン率)を最大化するために、ページのコンテンツを改善することです。

ここでのコンバージョン(CV)とは、ユーザーによる「商品購入」「資料ダウンロード」などのアクションです。

コストをかけて出稿したWeb広告を見たユーザーのうち、何割かが広告をクリックしてランディングページを訪れます。

しかしそのランディングページに以下のような問題があると、CVに結びつきません。

  • 広告を見たユーザーが期待することとLPの内容にズレがある
  • LPの文章がわかりにくく、ユーザーに伝わらない
  • ユーザーがアクションを起こすまでの導線がわかりにくい

このような、CVを阻害する問題点を改善し、ユーザーがアクションを起こしやすいランディングページにするために、ランディングページの最適化が重要です。

ランディングページの最適化(LPO)のメリット

ランディングページを改善し最適化することのメリットは以下の通りです。

1. CV数とCVRを増やせる
資料請求、ウェビナー申込などのCV数が増え、多くの見込み客を獲得できます。
広告などをクリックしてランディングページに流入するユーザーのCVRは数%といわれていますが、LPOによりこの数値を改善することができます。

2. 広告の費用対効果が向上する
CVRが上がれば広告の費用対効果が向上します。
また、Googleは、Web広告から誘導されるランディングページについて、ユーザーが求める情報を提供できているかを評価しています。
ランディングページの品質が高ければ広告の掲載順位が上がり、その結果広告コストが削減できます。

3. 検索順位によい影響を与える
ユーザーの導線をわかりやすくすることで、UX(ユーザーエクスペリエンス)の高いランディングページとなります。
UXの品質を高くすることで、検索エンジンに表示される順位によい影響を与える可能性が高まります。

※シャノンマーケティングプラットフォームは、ランディングページ自動作成機能を備えています。キャンペーンの告知、資料請求などの目的に応じたLPを自動生成できます

ランディングページの最適化(LPO)の具体的な進め方

ランディングページを改善して、CVRを向上するためのポイントを整理します。

品質の高いLPとは? LPOのチェックポイント

Web広告を増やし、自社HPに流入する新規ユーザー数が増えたのに、それに見合うCV数を増やすことができない。そんなときは、原因を特定してLPを修正します。

また、十分なCVが得られたあとも、状況は日々変化します。定期的にLPのパフォーマンスをチェックして、改善を継続していく必要があります。

CVにつながるLPは、以下のような条件を満たしています。

1. ユーザーが求める情報を過不足なく提供している
検索結果や広告をクリックしたユーザーがLPを訪れたとき、望んでいる情報を入手できることが重要です。
検索キーワードや広告の文言とLPの内容にズレがないことを確認しましょう。

2. ページが見やすく、操作しやすい、アクションまでの導線がわかりやすい
全体が見やすくレイアウトされ、文章もシンプルでわかりやすいことが大事です。
ブラウザや端末にかかわらずスムーズに表示され、フォームの入力など操作がしやすいことも大切です。
このあと説明する「CTA」については、位置や表示方法も重要です。

3. 「なぜアクションするべきか」が明確
一定の目的をもって訪れたユーザーに対してニーズに応えるとともに、さらに魅力的な要素を提示して、アクションを促す必要があります。「お客様の声」なども有効です。

4. 信頼性がある
企業情報やプライバシーポリシーなどの情報が明示された、信頼性のあるページであることも大切です。

条件を満たしたLPはCVをもたらすとともに、広告を配信するGoogleの評価も得られます。Googleはランディングページの要件についてサポートサイトで解説しています。

ランディングページの重要な要素「CTA」とは

ランディングページのCVを達成する「ユーザーのアクション」を実行するためのパーツを「CTA(Call To Action)」といいます。和訳すると「行動喚起」の意味です。

冒頭のサイトイメージでは、「資料をタウンロードする」という青いボタンがCTAです。

CTAとは

ボタンには「資料ダウンロード」「お問い合わせ」「購入する」など、アクションの目的をテキストで表示します。
CTAはボタン以外に画像、テキストリンクなどの場合もあります。

効果的なCTAの表示方法とは

「CTAボタン」をどう表示させるかということは、CVを左右する要素です。
効果が高いCTAの要件として、以下が挙げられます。

1. コンテンツを見る目線に沿って、目に止まりやすい位置に設置する
CTAの位置が重要です。ユーザーがページ内のコンテンツを読み進めたとき、スムーズにCTAに到達するように設置します。

数行のテキストを読んだ直後の中央に「さらに詳しく」というボタンを配置したり、記事上と記事下など、ページ内にCTAを2か所設置したりするパターンもあります。

2. 無理なく目立つデザインと色
ボタンの色は赤やオレンジなどが選ばれることが多いですが、ページのデザインによっては黒や青でも問題ありません。ページ全体の色調とトーンを変えて目立つ色、わかりやすいデザインにします。

3. テキストには動詞を用いる
「購入する」「資料請求する」「続きを読む」のように、CTAボタンの文言は次のアクションを促す動詞を用いることが一般的です。

4. 広告やWebページのコンテンツを統一する
CTAの配置・デザイン・文言は、ユーザーが迷わず操作できるよう、広告やWebサイト内コンテンツで常に統一しておきます。

CTA以外にもある、LPOのチェックポイント

ランディングページの最適化において、CTA以外に以下のようなチェックポイントがあります。

フォームの入力項目、入力方法
最初に示した資料ダウンロードページの場合、入力する項目は会社名、名前、部署名、役職、E-mailアドレス、電話番号、都道府県となっていて、選択入力する項目が「利用目的」「使用中のMAツール」の2つです。
フォームの入力は簡単であるほどCVRが高くなるので、最低限の項目を厳選する必要があります。

ページ内に表示させるメインキャッチ、サブキャッチ、説明などのテキストのフォント、位置、内容
ユーザーに内容が伝わりやすく、アクションを起こしやすいような表現にする必要があります。
メインキャッチやサブキャッチの内容、位置、フォントなどの違いにより、CVRに差が出ます。

ビジュアルコンテンツの種類、配置
画像イメージ、動画などのビジュアルコンテンツとして、何をどのように配置するかもLPOのポイントです。

ページのデザイン、色調、文体
「明るくカジュアル」「信頼感を重視」など、ページデザインが与える印象もポイントになります。

以上のような細かい要素について改善を図っていくのがLPOです。
次に、LPOの具体的な方法として、主にABテストについて解説していきます。

ABテストによるLPOの進め方とLPOツール、シャノンのLPO事例を紹介

ランディングページの改善は、仮説を立ててそれを実証しながら進めていきます。LPOに欠かせないABテストとは何か、進め方について解説し、ABテストができるLPOツールも紹介します。

ランディングページの最適化に有効なABテストとは

CVRを上げるためのランディングページの改善には、ABテストが有効です。

ABテストとは、WebページやWeb広告で、A案とB案を同時に配信し、どちらの方法がCVに繋がったかなどを検証する手法です。
たとえばCTAの位置を「上」「下」のうち、どこに配置するかが問題になったとします。どれが最もCVRが高いかは、事前に根拠を持って説明することが難しいですが、ABテストにより、CVRを実測することで採用すべきデザインを決定できます。

ABテストについてくわしくは以下の記事で解説しています。
ABテストとは?メリット・デメリットや具体的な進め方を解説。ツールや事例も一挙紹介!

AとBの2つの案をテストすることが多いためABテストと呼びますが、3案、あるいはそれ以上を同時に比較することもあり、3パターン以上を同時にテストすることもあります。この方法を多変量テストといいます。

LPOの進め方

ランディングページの最適化は、以下のような手順で進めます。

1. LPの現状と課題を明らかにする
アクセス解析、CVに関する数値などの現状をふまえ、LPの課題を明らかにします。

2. LP改善の仮説を立てる
いくつかあるLPの改善ポイントのなかで、優先順位の高い改善策を1つ選び、仮説を立てます。

3. ABテストを実施する
ABテストを実施して、効果を測定します。

4. 有意な結果をもとにLPを改善する
改善策について有意な結果が得られたら、それをLPに反映させます。
ねらい通りの結果が得られなかったときは、仮説からやり直します。

LPの改善ポイントは、CTAやメインビジュアルのデザインやタイトルとして訴求するテキストなど多数あるので、以上のようなサイクルを定期的に繰り返しながらランディングページの最適化を進めていきます。

LPOツールの代表例5選

LPOツールには、ABテストのほか、Webページのなかでカーソルがとどまっている位置やスクロールされた位置を知るヒートマップ分析や、他のシステムとの連携機能があります。
ABテストができる無料のツール「Google Optimize」が2023年9月に終了するため、それに代わるツールを検討している企業も多いでしょう。

以下のようなLPOツールがあります。ABテスト機能をメインに、他のLPO改善支援機能も備えているツールの一例です。

■Optimizely
https://optimizely.gaprise.jp/
世界シェアトップのABテストツールです。
中級者以上向けなので、他のツールを使用していてさらに高度なテストを行いたい場合におすすめです。

■VWO
https://www.assion.co.jp/lp/05b/
インドの企業が提供。ABテストを簡単に実施でき、他の機能も充実しています。

■KAIZEN Platform
https://kaizenplatform.com/
専門知識がなくても操作でき、サポート体制も充実しています。

■DLPO
https://dlpo.jp/
国産ABテストツールとして実績が高いツールです。

■CVX
https://lpo.conversion-x.jp/lp04
ヒートマップなどの分析機能も豊富なLPOツールです。

シャノンのランディングページの最適化事例を紹介!

最後に、シャノンのLPOの実例をご紹介します。

キービジュアルがカルーセル vs 動画

資料ダウンロードページのキービジュアルは、カルーセルと動画をテストした結果、動画の方が175%申込率が高いという結果でした。

キービジュアルに「この資料でわかること」の説明あり vs なし

ランディングページを見たユーザーに資料の内容が伝わりやすいよう、以下のような説明を作成して、キービジュアルの下に表示しました。

ABテストでは、概要の説明ありのほうが440%申込率が高いという顕著な結果が得られました。

ランディングページの最適化のため、PDCAサイクルを常に回すことが大事

シャノンでは定期的に、ABテストをはじめとするランディングページの最適化の施策を実施しています。

今回ご紹介したランディングページの最適化事例はシャノンがABテストを実施した結果なので、他の企業や他の商品に当てはまるとは限りません。自社のLPOは、自社固有の環境でテストを重ね、検証を続けることによって進めます。

また、ABテストを実施したが有意な結果を得られないこともよくあります。
そんなときでもあらかじめ設定した優先順位とPDCAフローに沿って、着実にテストを積み重ねていくことが大事です。

まとめ

本稿のポイントは以下の5点です。

1. ランディングページ(LP)とは、広義には検索結果や広告をクリックしたユーザーが最初に見るページ、狭義ではユーザーに申込や購入など何らかのアクションを促すために機能がある自社の製品やサービスの情報をまとめたページのことです。

2. CVRを上げるために、ランディングページの最適化(LPO)が重要です。 LPOのメリットは以下です。

  • CV数とCVRを増やせる
  • 広告の費用対効果が向上する
  • 検索順位にいい影響を与える

3. 品質の高いランディングページの条件は以下です。

  • ユーザーが求める情報を過不足なく提供している
  • ページが見やすく、操作しやすい、アクションまでの導線がわかりやすい
  • 「なぜアクションするべきか」が明確
  • 信頼性がある

4. CTA(Call to Action)は、ユーザーがアクションを実行するためのパーツです。LPOではCTAの配置、フォームの項目、テキストやビジュアルなどを改善していきます。

5. ランディングページの最適化にはABテストが有効です。ABテストを繰り返してPDCAを回しながら進めていきます。

最後に、シャノンのマーケティングオートメーションでは、データの一元管理による効率的なリード獲得とナーチャリングが可能です。
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