シャノンが実践!効果を実感した「マルチチャネル・スコアリング」とは?

マーケティング用語としての「チャネル(channel)」には幅広い意味があります。

広義の意味は「販売するための経路、手段」であり、

  • 販売チャネル
  • 流通チャネル
  • コミュニケーションチャネル

の3つがあります。

販売チャネルには店舗やネットショップ、流通チャネルには配送業者や代理店組織などが含まれます。
コミュニケーションチャネルは情報を広く届けるための広告、Webサイト、メルマガなどです。

MAではコミュニケーションチャネルを扱います。

「どのチャネルをどのように使い、スコアリングすべきか」というチャネル戦略は、企業や商品/サービスによって異なるので、最初は狙い通りの成果を上げることが難しいかもしれません。

しかし、PDCAを回しながら経験・知識を積み重ね、自社に適したチャネル戦略見出していくことが大切です。

今回は、チャネルの効果的な評価のしかたと活用について、シャノンが実践する具体的な方法を紹介しながら考えていきます。

MAにおけるチャネルとは、見込み客とコミュニケーションをとる手段のすべて

まずチャネルとは何か、どんな種類があるかについて確認します。

見込み客とのあらゆる接点をつくり出す、さまざまなチャネル

MAにおいては、チャネルとは企業とリード(見込み客)とがコミュニケーションをとるための手段をいいます。
具体的には、たとえば以下のような方法です。

  • Web広告
  • Webサイト
  • Eメール
  • SNS
  • ダイレクトメール
  • 電話

マーケティング部門はこのようなチャネルでリードとの接点(タッチポイント)を多数つくり出し、まずリードを獲得。さらにチャネルからの発信を積み重ねてリードの興味・関心を引き上げていきます。

Eメール・SNS・Web広告など、さまざまなチャネルの種類と特徴

チャネルの種類とメリット、デメリットについて整理します。

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コミュニケーションチャネルの種類と特徴
チャネル メリット デメリット、課題
Web 自社サイト ・情報量が豊富
・自由度が高い
Webページを見てもらうための施策が必要
Eメール ・迅速に情報を配信できる
・開封率などの測定が容易
多くのメルマガに埋もれ、開封率が低くなる傾向
オーガニック検索(自然検索) 関心の高い見込み客が流入 検索で見つけてもらうため、SEOなどの施策が必要
SNS ・見込み客に合ったサービスを選べる
・プッシュ通知などの機能が利用できる
・見込み客がフォロー/登録をしてくれなければ配信できない
・BtoBだと活用が難しいケースもある。
Web広告 ・ハウスリスト以外にもアプローチできる
・データの計測が用意
コストに見合う効果が出せないこともあるので、日々パフォーマンスをチェックしてクリエイティブやテキストの改善が必要
ウェビナー 関心の高い見込み客にリーチできる ・集客のための施策が必要
・配信のオペレーションが必要
リアル セミナー ・関心の高い見込み客にリーチできる
・双方向コミュニケーションが可能
・集客のための施策が必要
・遠方からの参加は難しい
ダイレクトメール カタログ、商品サンプルなど多様な販促物を届けられる ・コストがかかる
・Webのように情報を更新できない
店舗・ショールーム リアルな体験ができる コストがかかる
展示会 ・効率よくリアルな接点が持てる
・ターゲット層の生の声がきける
費用対効果が厳しいこともある
電話 1to1で内容の濃いコミュニケーションがとれる ・人的コストがかかる
・リモートワークが増えた今、会社の番号につながらないケースもある
マスメディア TVCM 企業や商材の名前を広めることができる コストが高い
中吊り、看板 雑誌や新聞広告など 商材に合う媒体を選べば効果が期待できる コストが高い

大切なのは、MAによるマルチチャネルの最適化

マーケティング部門はまずシナリオを設定し、それに基づいて上表のような多種多様なチャネルを使い、個々の結果にスコアを付け、リードをホットリードへと引き上げていきます。

表に示したチャネルのうち、MAでメインとして取り扱うのはメルマガ、Webへのアクセスや資料ダウンロード、ウェビナーなど。

そこへ、セミナー/展示会、インサイドセールスによる電話などのリアルなチャネルで得られた成果についても追加し、管理します。名寄せなどデータの整備も必要で、作業は多岐にわたります。

MAにより、オンライン・オフラインを問わずすべてのチャネルを一元で管理する「マルチチャネル管理」を正確・スピーディーに処理することができます。

シャノンのマーケティングプラットフォームは、オンライン接点だけではなく、バーコードを活用したオフライン接点の測定など、あらゆるシーン に対応可能なマルチチャネル管理機能を備えています。

シャノンが実践してきた「マルチチャネル・スコアリング」 5つのポイント

多様なチャネルで得られる結果をどうスコアリングすれば、確度の高いホットリードを抽出できるのか。具体例として、シャノンやシャノンのお客様が実践しているスコアリングのポイントをご紹介します。

複数の商材があるとき、まず1つの商材でスコアリングルールを決める

多くの企業では、複数の商材を取り扱っています。当初から2つ以上の商材のリードマネジメントをスタートさせた場合、当然それぞれ違う結果が出てきます。個々のチャネルで得られる結果をどう判断するか、定まった基準がなければスコアを付けることができません。

MAでは、「自社のスコアリングルールを確立させる」ことが急務です。
そのためにまず、最も主力の商材Aで、リードの獲得から営業部門へのホットリード引き渡しまでのリードマネジメントを行います。

このステップで得られた結果の検証から必要に応じてスコアを調整し、スコアリングのルールが定まったら、他の商材Bにも展開するという流れがスムーズです。

タッチポイントを細分化し、細かくスコアを積み重ねる

ひとつのチャネルにおいて複数のタッチポイントがある場合、それらを細かくわけてそれぞれにスコアを付けることが可能です。

例えばウェビナーの場合ならすべての接点を満たせば10点と定義したうえで、以下のようになります。

  • 案内メールを開封した・・・2点
  • 案内メールのリンクからLPを閲覧した・・・2点
  • ウェビナーに申し込みをした・・・2点
  • ウェビナーに参加した・・・2点
  • 参加者アンケートに回答した・・・2点

このように、タッチポイントは細かく、かつ、個々のスコアは2点・10点などシンプルに設定します。

細かいタッチポイントでスコアを積み重ねることにより、当日は都合が悪く不参加となってしまったリードにも一定のスコアが加算され、その後のフォロー対象となります。

最初に設定するのは手間がかかる作業ですが、一度設定すればMAツールによりスムーズに実行され、結果が得られます。MAツールならではのメリットといえます。

チャネルの特徴をふまえ「見かけ上のホットリード」を除外する

Webへのアクセスや資料ダウンロードの履歴があればスコアは機械的に上昇します。しかしそのなかには、現時点で購入の意思がないにもかかわらず、個人的な興味・関心からアクセスを繰り返すリードが存在します。

単純に加算していくスコアリング方法の場合、こうしたリードは少しずつ加点が積み上がり、ホットリードの基準にまでスコアが上がってしまう可能性があります。しかしこれは、見かけだけのホットリードです。

このような状況をふせぐため、特定のチャネルのスコアを定期的にリセットします。

シャノンでは、Webアクセスログについては過去30日、資料請求やホワイトペーパーなどの資料ダウンロードについては過去180日と30日単位の期間内でスコアを付与しています。

この設定により、その他のチャネルで加点されないと、スコアが伸びないということになり、見かけ上のホットリードは除外されます。

「インサイドセールス」など、オフラインチャネルの履歴はスコアと別に管理

リアルなセミナーや展示会が激減するなか、主流でかつ重要なオフラインチャネルがインサイドセールスです。

インサイドセールスは主に電話で行いますが、電話はデジタルな記録が残らないことも多いのでオフラインのカテゴリになります。

シャノンの場合もそうですが、一般的にインサイドセールスは、購入を比較・検討し始めたフェーズにあるリードに電話をかけてコミュニケーションをはかり、商談可能なフェーズへと引き上げる、重要な役割を担当します。

電話では見込み客の購入意思はもちろん、企業としての課題や検討しているほかのツールなどをヒアリングし、ホットリードの見極めをします。

シャノンでは、インサイドセールスが取得するデータはスコアと別に管理し、

オンラインチャネルのスコア × IS活動結果のフラグ → 商談可能なホットリード

という図式でホットリードを確定させています。

これとは別に、リアルイベントなど、マーケティング施策におけるオフラインチャネルでのタッチポイントがあればすべてMAに取り込み、スコアリングに反映させています。

オフラインチャネルを効率よくスコアリングに反映させることができるか? ということは、MAツールを選ぶときに注目したいポイントです。

※シャノンの「マーケティングプラットフォーム 」は、以前からセミナーや展示会などの運営・管理データをMAに反映させてきた経験の蓄積があり、インサイドセールスのリアルな接点をスムーズにインポートし、スコアリングする機能を備えています。

チャネル以外のスコア要素「アトリビュート」をどう扱う?

スコアリングの要素は以下の3つに分類されます。

①行動活性(直近でどんな行動をとっているか)
②興味・関心(商材に興味を持っているか)
③属性(商材の顧客となり得る属性か)

このなかで、①と②は「Webへのアクセス」「ウェビナー参加」など各種のチャネルからデータが得られます。

一方、③の属性は「アトリビュート」とも呼ばれる、リードが所属する企業、部署、役職などの要素で、マーケティング部門の働きかけができません。

しかし、アトリビュートは一定のスコアを加算すべき重要な要素です。

アトリビュートについてはここでは扱わず、こちらの記事で詳しく述べているので参照 してください。

参考記事:見込み客の属性「アトリビュート」とは?そのスコアリング方法と、マーケティング活用のアイディアを解説

まとめ

本稿のポイントは以下の4点です。

1. MAにおけるチャネルには、Web広告・ウェビナー・メルマガなどのほか、電話のようなリアルな接点も含まれます。

2. マルチチャネルを最適化するために、MAによる正確なデータ管理、適切なスコアリング、そして経験の積み重ねが不可欠です。

3. マルチチャネル・スコアリングのポイントとして以下があります。
①複数の商材があるときは、まず一つの商材でスコアリングルールを決める
②タッチポイントを細分化する
③見かけ上のホットリードを除外する
④インサイドセールスはスコアリングと別に管理する
⑤アトリビュートの扱いも重要→別記事で紹介

最後に、シャノンのマーケティングオートメーションでは、データの一元管理による効率的なリード獲得とナーチャリングが可能です。


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