新型コロナウイルスの感染拡大によって、これまで当たり前とされていた常識が変化しました。まさに「ニューノーマル」の時代に突入したといえます。
ニューノーマルの時代では、これまでの働き方が大きく変化します。具体的にどのように変化するのでしょうか。
この記事ではニューノーマル時代の働き方について、わかりやすく解説します。
ニューノーマルとは
ニューノーマル(New Normal)とは、「新しい常態」という意味です。変化前の日常には戻らないというニュアンスや、時代の変化に対応できないと取り残されてしまうというニュアンスを含んでいます。
新型コロナウイルスの流行以降、メディアを通してニューノーマルという言葉を聞く機会が増えましたが、以前から言葉自体はありました。2004年にアメリカの投資家、ロジャー・マクナミーが『ニューノーマル リスク社会の勝者の法則』を出版(日本では2008年に訳書が出版)。本書の中でロジャー・マクナミーは、「ニューノーマルは、今まで見ようともしなかった場所に無限の機会が潜んでいる時代」と書いています。
1990年代、テクノロジーの発展やインターネットの普及によって、世界中に変化が起きました。電話や手紙といった連絡手段が、FAXやメールへ変化し生活様式やビジネスも大きく変わりました。現代ではFAXやメールといった連絡手段がチャットやSNSに変化しています。これもニューノーマルの1つといえます。
2000年代に入ると、ニューノーマルのきっかけとなった代表的な出来事が3つ起きました。
- 2008年 リーマンショック
- 2011年 東日本大震災
- 2020年 新型コロナウイルスの流行
いずれの出来事の後も、変化前の日常には戻らない新しい常態が訪れました。
この記事では、新型コロナウイルスの流行以降のニューノーマルについて解説します。
新型コロナウイルスによるニューノーマル
2020年3月11日、新型コロナウイルスが世界保健機関(WHO)によって、パンデミック(感染の大流行)とみなせると表明されました。
日本国内では、2020年4月7日に7都府県(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県、福岡県)に対して、4月16日には全都道府県を対象に緊急事態宣言が発出されました。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、社会や企業に大きな変化があったことは記憶に新しいのではないでしょうか。
社会の変化
感染拡大を抑えるためにソーシャルディスタンスを保ったり、会話の際はマスクをするなど、人との接触が制限されました。
不要不急の外出を避けるよう要請が出た際には、外食が制限され、フードデリバリーサービスが急拡大。買い物はECサイトでおこなう人が増えました。街から人が消え、医療や運送など一部の方を除き、在宅勤務をする人が増えたことも記憶に新しいです。
旅行やレジャーも制限され、イベントもオンラインで開催されるケースが増えています。
オンラインイベントについては「オンラインイベントとは?面白い企画で会社のファンを増やす方法」でくわしく解説しています。
企業の変化
2020年3月28日、内閣官房新型コロナウイルス等感染症対策推進室が「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」を発表しました。この中に、企業に対して「在宅勤務(テレワーク)の活用や休暇取得の促進等により、出勤者数の7割削減を目指すこと」とあります。
緊急事態宣言が発出された直後は、多くの企業で在宅勤務がおこなわれ、ZoomやTeamsなどのWeb会議ツールが浸透しました。在宅勤務によって通勤時間が削減され、生産性の向上につながっています。
「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針(9月8日変更分)」では、「在宅勤務(テレワーク)の活用や休暇取得の促進等により、出勤者数の削減の取組を推進するとともに、接触機会の低減に向け、職場に出勤する場合でも時差出勤、自転車通勤等を強力に推進すること」という表現になっています。引き続き、テレワークが推奨されている状態です。
このように、従業員を守るためにも企業の変化が求められました。
ニューノーマル時代の働き方
ニューノーマルという言葉は、変化前の日常には戻らないニュアンスを含んでいます。ニューノーマル時代の働き方はどうなっていくのでしょうか。ここでは、アフター(ウィズ)コロナ時代の働き方についてお伝えします。
テレワークの推進
感染症対策の一環として在宅勤務やサテライトオフィスでの勤務など、テレワークやリモートワークの推進がされ、多くの企業が導入をしました。コロナ禍前は約20%の企業がテレワークを導入し、コロナ禍以降は約48%の企業がテレワークを導入。導入企業は2倍以上に増えています。
テレワークできる環境を整備できれば、企業価値の向上につながります。具体的な企業価値向上の内容は下記の通りです。
働き方の多様性 | ・どこに住んでいても働ける ・通勤時間が減り、ワーク・ライフ・バランスの実現につながる |
生産性向上 | ・通勤時間が減り、仕事に向けられる時間が増える ・業務のオンライン化が進み、効率化が図れる |
人材採用 | ・勤務地が縛られない、全国から優秀な人材を採用できる ・育児中や介護中など、柔軟な働き方を望む人材の採用や定着が可能になる |
コスト削減 | ・オフィスの賃料や電気代が削減される ・社員の交通費が削減される |
事業継続性 | ・感染症が拡大した際にも事業が継続できる ・地震や台風などの災害時にも事業が継続できる |
DXの加速
新型コロナウイルスをきっかけに、DX(デジタルトランスフォーメーション)の注目度が高まりました。テレワーク環境を整えるうえで、DXは欠かせない要素でした。
経済産業省の定義によると、DXとは「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」とされています。
コロナ禍が収まったとしても、働き方改革や世界標準の競争力をつけるために、企業はDX化を進める必要があります。
DXについては「DXとは何かをわかりやすく解説!今、企業はDXをどう進めている?」でくわしく解説しています。
営業活動の変化
コロナ禍では、感染予防対策として対面での接触が制限されました。営業活動もオンライン上でおこなわれるケースが増えています。そのため、オンラインを前提とした営業プロセスの確立が必要になります。
オフラインの営業活動 | オンラインの営業活動 |
・対面での商談 ・飛び込み営業 ・セミナーや展示会への出展 ・イベントや勉強会の開催 |
・Web会議ツールを使っての商談 ・ウェビナーやバーチャル展示会への出展 ・オンライン上でのイベントや勉強会の開催 |
対面での営業活動が難しくなったことで、インサイドセールスに注目が集まりました。
インサイドセールスの業務内容は多岐にわたります。くわしくは「【図解で解説】インサイドセールスの役割とは?フィールドセールスとの違い、営業担当とマーケティング部門との連携方法」をご覧ください。
インサイドセールスの大きな目的は「顧客の購入意欲の引き上げ」ですので、マーケティングとも密接に関わります。
マーケティングのDX化
インターネットの普及によって、デジタル技術を利用した「デジタルマーケティング」がビジネスシーンで活用される機会が増えています。デジタルの強みはコストパフォーマンスの高さデータにもとづいた改善の回しやすさです。
デジタルマーケティングについては「デジタルマーケティングとは?メリットや役立つ資格、企業事例を紹介」をご覧ください。
新型コロナウイルスの影響を受け、デジタルマーケティングに加えてマーケティングのDX化が必要とされています。オフライン接点が少なくなっており、顧客接点にデジタルを取り入れることが急務になってきたのです。顧客接点にデジタルを取り入れると、顧客情報、データ、プロセスをきちんと管理し、統合的かつ戦略的に活用していくことが必要になります。
シャノンではマーケティングDXを「購買行動の変化に対応するために、顧客情報をデジタルで一元管理し、自社のマーケティング・プロセスを変革する。その上で最適な顧客体験を構築し、競争上の優位性を確立すること」と定義しています。
マーケティングDXのはじめかたなど、くわしい内容は「組織を巻き込み、スピーディーにはじめる。「マーケティングDX」に必要な施策の整理とは」をご覧ください。
マーケティングDXを実現するために必要となるのが、マーケティングオートメーション(MA)です。くわしくは「マーケティングオートメーション(MA)とは?基礎知識やツールについてわかりやすく解説」をご覧ください。
ニューノーマル時代に求められるスキルとは
ニューノーマル時代には、オフラインだけではなくオンラインで仕事をする機会が増えます。これまでに必要とされてきたものとは、多少異なるスキルが求められます。
社員にスキルを身につけてもらうよう、会社側が研修や勉強会などを開催することも必要です。
コミュニケーションスキル
テレワークが進むと、対面でのコミュニケーションの機会が減少します。会ったことのない相手と仕事をする機会も増え、以前とはコミュニケーションの取り方も変わっていきます。オンライン会議は対面に比べると得られる情報量が少ないので、普段よりも少しオーバーなリアクションをするなどの工夫が必要です。
メールやチャットなどでのやり取りも増えるので、文章で自分の考えを伝えるスキルも求められます。
部下や上司、同僚とコミュニケーションを取る機会も減っています。企業によっては1on1ミーティングを実施するといった取り組みがおこなわれていますが、コミュニケーション面での課題は残っているのが現状です。課題が残っているなかで、いかにコミュニケーションを取っていけるかは、個人のコミュニケーションスキルにかかっています。
デジタルの活用スキル
テレワークを進めるには、さまざまな業務をデジタル化する必要があります。打ち合わせはWeb会議ツールを使い、コミュニケーションはチャットツールを活用する機会が増えています。従来は紙に押印しておこなっていた申請もデジタル化が進み、電子契約サービスが増えました。業務上、新たなデジタルツールを使用するための知識やスキルが求められています。
また、通常は会社から貸与されたPCを使って業務をおこないます。テレワークが増えると、コワーキングスペースやワーケーションなど、周りに社外の人がいる状況で仕事をする機会も増えるでしょう。そうなるとPCの紛失や情報漏洩などのセキュリティリスクが高まります。そのため、情報セキュリティに関する危機意識を持つことが大事です。
セルフマネジメントスキル
出社して仕事をするのに比べると、テレワークは自由度が高いです。そのぶん集中力が途切れたり、切り替えが難しくなるので、自分自身をマネジメントする必要があります。テレワークの場合、仕事のオンオフを切り替えるのが難しいと感じる方もいるはずです。
自分でスケジュールを設定し、何時以降は仕事をしないようにするといったマネジメントも必要になります。
まとめ
この記事では、ニューノーマルについて解説をしてきました。ポイントは以下の4つです。
-
- ニューノーマルとは、「新しい常態」という意味です。変化前の日常には戻らないというニュアンスや、時代の変化に対応できないと取り残されてしまうというニュアンスを含んでいます。
- 新型コロナウイルスによって、社会や企業が変化しました。マスクの着用やソーシャルディスタンスを求められ、テレワークや休暇取得の促進が求められました。
- ニューノーマルの時代には、企業のDX化が求められます。マーケティングや営業活動、働き方のオンライン化が進んでいます。
- ニューノーマル時代には、コミュニケーションスキル、デジタルの活用スキル、セルフマネジメントスキルが求められます。
今後、新たにニューノーマルのきっかけとなる出来事が起こる可能性もあります。変化に対応できるよう、柔軟に動けるよう意識することが重要です。
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