マーケティングオートメーション(以下、MA)とは「購買フェーズを引き上げるために顧客の状況にあわせて実施される、マーケティング活動全般を自動化する取り組み」です。
この記事では、MAについて学べるおすすめ本を紹介しています。MAを学ぶ際の参考にしてください。
マーケティングオートメーション(MA) を学ぶのに本がおすすめな理由
MAの知識は多岐にわたります。知識のレベルも異なるでしょうし、マーケティングや営業に関する知識も必要です。
さまざまな知識を得るためにおすすめなのが「本を読むこと」です。
1冊の本を作るまでに、著者や編集者、校正者やデザイナーなど多くのプロフェッショナルが関わっています。幾度となくチェックがおこなわれ、完成までに長い期間が費やされています。
そのため情報が整理されていて、わかりやすくなっているのです。
マーケティングオートメーション(MA)入門者向けの本
「MAをこれから学びたい」と考えている方におすすめの本を紹介します。
MAの基礎知識から、しっかりと勉強できます。
『マーケティングオートメーション入門』
著者:電通イーマーケティングワン
発行年:2015年
出版社:日経BP
2015年に発売された本書は、MAの入門書としてMAの説明や導入企業の事例などを紹介しています。
著者の株式会社電通イーマーケティングワン(現:株式会社電通デジタル)は、電通グループのマーケティング事業を担う会社です。
MA導入を成功させる要素として「自社に合った戦略策定」「見込み客に合わせたコンテンツ展開」「業務に合わせたシステム導入」を挙げています。
こんな方におすすめ
MAを正しく理解し、自社でも導入して成果を上げたいマーケティング担当者や営業担当者の方におすすめです。
本の終盤にはMA導入のためのチェックポイントと導入ステップがまとめられているので、導入フェーズの方にとって参考になります。
『マーケティングオートメーション導入の教科書 優良顧客を自動で育てる仕組みづくり』
著者:長谷川健人、住岡洋光、駒井俊一、岡本貴司、安西敬介、遠藤義浩
発行年:2017年
出版社:エムディエヌコーポレーション
2017年に発売された本書は、MAの基本機能や活用方法、BtoB・BtoCビジネスでの導入と運用の流れなどが書かれています。
6名の専門家による共著となっており、マーケティング全体の話も書かれているので、これからマーケティングを学ぼうと考えている方も参考になります。
MA担当者だけでなく、マーケターやWeb担当者、営業担当者などの顧客と接触する機会のある方にも参考になります。
こんな方におすすめ
MAの導入を検討している方や顧客との関係性を強化し、自社のファンを増やしたいと考えている方におすすめです。
BtoB・BtoCビジネスそれぞれにおいて、MAツールの選び方や仕組みづくりについて解説しています。有名企業の導入事例も紹介されているので、導入イメージがしやすいです。
『マーケティングオートメーション スペシャリストになるための教科書』
著者:株式会社メンバーズ、福島 信、鶴田 純也、村上 大典、廣瀬 竜也、吉田 隼
発行年:2020年
出版社:マイナビ出版
本書のタイトルにもある「MAスペシャリスト」は、マーケティング部門とシステム部門をつないで、MAの円滑な導入と運用を担う役割の人を指しています。
著者は株式会社メンバーズの社員です。実際に現場で活躍する方々によって書かれています。タイトルに「教科書」とあるように、基本的なことから丁寧に書かれています。
こんな方におすすめ
MAを運営していくためのスキルや考え方を知りたい方におすすめです。
シナリオ設計や効果測定について具体的に書かれているので、実務者の方の参考にもなります。MAスペシャリストを目指す方に最適な一冊です。
マーケティングオートメーション(MA)を実践するための本
続いて、MAに関する実践的な本を紹介します。MAの活用法などが効率的に学べます。
『マーケティングオートメーション 最強の導入手法』
著者:小池 智和
発行年:2018年
出版社:KADOKAWA
MA導入時に必要なことが書かれています。
著者の小池氏は、MAの導入支援を中心に事業をおこなう会社の代表です。600社以上の導入実績をもとに、MA導入手法を解説しています。
2018年に発売された本書は、MAだけではなくCRMやSFAについても書かれています。
こんな方におすすめ
MAを導入したものの、使い切れていない方や活用の仕方がわからない方におすすめです。
MAをCRMと連携させることで真価を発揮すると書かれており、連携することでできることについて、具体的に解説されています。
『マーケティングオートメーションに落とせるカスタマージャーニーの書き方』
著者:小川共和
発行年:2017年
出版社:クロスメディア・マーケティング
MAで施策の自動実行をおこなうための設計図として、「カスタマージャーニー」の作成が大事です。
本書は、タイトルの通りカスタマージャーニーについて書かれています。著者は、さまざまな会社で顧問を務めた経験もあるマーケティングコンサルタントの小川氏です。
こんな方におすすめ
MAを導入したけど、うまくいっていないと感じる運用担当者の方におすすめです。
具体的なカスタマージャーニーの作成事例をもとに、シナリオ設計図を作れます。マーケティングについて、ある程度の知識がある方に向けた書籍です。
『事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践』
著者:栗原 康太
発行年:2020年
出版社:すばる舎
タイトルの通り、本書では事例をもとにBtoBマーケティングについて学べます。図表が多くわかりやすいのが特徴です。
著者の栗原氏は、長年BtoBマーケティングに携わり数百社のクライアントへ支援をしています。
2020年に発売された本書は、コロナ禍に書かれています。オフラインからオンラインへの営業に切り替える方法やToDoリストなどが書かれているので、これからMAを導入しようと考えている方の参考になる一冊です。
こんな方におすすめ
BtoBに関わるマーケターや経営者の方におすすめです。
BtoBマーケティングにおける戦略設計のポイントや実践事例が紹介されており、「BtoBマーケティングには、正しい型(メソッド)が明確にある」と書かれています。
MA導入後に「MAの活用ができていない」「リード数が足りない」と考えている方の参考になるはずです。
マーケティングオートメーション(MA)戦略を学ぶために役立つ本
MAを活用して様々なマーケティング施策を実施する際に重要なのが戦略の立て方です。
マーケティング戦略を立てるうえでおすすめの本を紹介します。
『確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力』
著者:森岡 毅、今西 聖貴
発行年:2016年
出版社:KADOKAWA
こちらについてはご存知の方も多いかと思いますが、経営難に陥っていたユニバーサル・スタジオ・ジャパンを立て直したことでも知られている森岡氏と今西氏が戦略についてまとめた書籍です。
勝てなさそうに見える局面や相手に対しても勝つ確率の高い戦略を導き出すための戦略「数学マーケティング」について解説しています。
こんな方におすすめ
数字にもとづいて、市場で勝てるマーケティングを実践したい方におすすめです。
またユニバーサル・スタジオ・ジャパンのV字回復は、マーケティングにおいて非常に有名な事例なので、MAツールを導入しているかどうかにかかわらず、マーケティングに関わる方は読んで損のない一冊と言えるでしょう。
『なぜ「戦略」で差がつくのか。―戦略思考でマーケティングは強くなる』
著者:音部 大輔
発行年:2017年
出版社:宣伝会議
マーケティング施策を効果的に行うためには有効な「戦略を立てる」ことが重要ですが、 そもそも「戦略」とはどんなものか、なぜ必要なのかについて、チームで認識を共有することは難しいです。
本書は、P&G、ユニリーバ、資生堂などで長年マーケティング人材を育成してきた音部氏が思考の道具としての戦略の使い方についてまとめた一冊です。
こんな方におすすめ
体系的にマーケティングの知識を身に着けたい方や、戦略に一貫性を持たせる方法を学びたいリーダーの方におすすめです。
『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング』
著者:西口 一希
発行年:2019年
出版社:翔泳社
スマートニュースを累計ダウンロード数5,000万、月間使用者数2,000万人に導いた西口氏が確立した、一人ひとりの顧客に焦点を当てる「N1分析」についてまとめられた書籍です。
マーケティング戦略を構築するための「顧客ピラミッド」や、販売促進とブランディングを両立する「9セグマップ」といったフレームワークを使ったスマートニュースでの事例についても紹介されています。
こんな方におすすめ
事業会社のマーケターがどのように戦略を立てているかを学びたい方におすすめです。
また「顧客が考えていることや求めているものを理解する」というマーケティングの基本に立ち返りたい方にもおすすめです。
『トラクション ―スタートアップが顧客をつかむ19のチャネル』
著者:ガブリエル・ワインバーグ、ジャスティン
訳者:和田 祐一郎
発行年:2019年
出版社:オライリー・ジャパン
本書は、スタートアップを成功させた創業者に行った調査をもとに生み出された、マーケティングのフレームワークと19のチャネルを紹介しています。
「海外の本を翻訳したものは参考にしづらいのでは」と思われる方もいるかもしれませんが、メールマーケティング、SEO、展示会、オンラインイベントなどオンライン、オフラインを問わず多様なチャネルを取り上げているので、日本の企業でも参考になる部分が多いです。
こんな方におすすめ
マーケティング部門を立ち上げたばかりの方や、MAツールを導入したものの何から実施するべきか迷われている方におすすめです。
チャネルごとの企業事例も豊富に取り上げられているので、実務を担当されている方にも参考になります。
マーケティングオートメーション(MA)組織を構築するために役立つ本
MAを活用するうえで、組織の構築は欠かせません。マーケティング組織や営業組織を構築するうえで、役立つおすすめ本を紹介します。
『THE MODEL』
著者:福田 康隆
発行年:2019年
出版社:翔泳社
この本はマーケティング部門でベストセラーになっているので、ご存じの方も多いかもしれません。
著者は、MAツール開発大手のマルケト代表取締役社長として、日本法人の設立に関わった福田氏です。
THE MODELは、SFA大手のセールスフォース・ドットコム社で活用されてきた営業プロセスモデルです。営業を分業し、部門間で連携して顧客満足度を高めていきます。
こんな方におすすめ
インサイドセールスやカスタマーサクセス部門を立ち上げようと考えている方や、こうした組織をまとめるマネジメント層の方におすすめです。
マネジメント層が注目すべき指標や組織におけるオペレーションの全体像についても解説されています。ビジネスモデルや組織構築についてくわしく書かれている本です。
『インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド』
著者:茂野 明彦
発行年:2020年
出版社:翔泳社
MAを活用する機会が最も多いのは、インサイドセールス部門ではないでしょうか。そのインサイドセールスの強化について書かれています。
著者は、セールスフォース・ドットコムやビズリーチのインサイドセールス部門を成長させた茂野氏です。
インサイドセールス部門を立ち上げるには、さまざまな課題があります。本書ではインサイドセールスの立ち上げから運用まで、実践にもとづいた解説がされています。
こんな方におすすめ
インサイドセールス部門に採用するべき人材、採用してはいけない人材の特徴や見抜き方が書かれています。
そのため、インサイドセールスの立ち上げを検討している経営者や、強い組織の作り方を知りたいと考えているマネジメント層におすすめです。
また、具体的なインサイドセールスのテクニックなど、実際にインサイドセールスの現場で働いているメンバーにとっても有益な情報が詰まっています。
そのほか、マーケティングオートメーション(MA)に関連するおすすめの本
最後にMAと関連するおすすめ本を紹介します。
直接は関係しませんが、知識を得ておけばMAを活用するうえで効果的です。ぜひ目を通してみてください。
『カスタマーサクセスとは何か――日本企業にこそ必要な「これからの顧客との付き合い方」』
著者:弘子ラザヴィ
発行年:2019年
出版社:英治出版
カスタマーサクセスとは、その名の通り「顧客の成功」です。現代のビジネスモデルには欠かせません。MAと連携することでカスタマーサクセスの施策が進めやすくなります。
著者の弘子ラザヴィ氏は、シリコンバレーに住んでいるときにカスタマーサクセスと出会い、現在は経営コンサルタントとして活動しています。
こんな方におすすめ
カスタマーサクセスを実現し、自社のファンを増やしたいと考えている方におすすめです。
実務というよりは、カスタマーサクセスの本質や目的などの重要なポイントについて書かれています。そのため、はじめて「カスタマーサクセス」という言葉を知った方にも参考になります。
『最高の結果を出すKPIマネジメント』
著者:中尾隆一郎
発行年:2018年
出版社:フォレスト出版
マーケティングや営業の仕事に限らず、数値管理は重要です。そこで必要となるのが「KPIマネジメント」です。MAを活用するうえでも、KPIマネジメントは欠かせません。
著者の中尾氏はリクルートグループで29年間仕事をし、11年間社内講師としてKPI講座を続けてきました。そのKPIマネジメントのノウハウが書かれています。
こんな方におすすめ
数字面で結果を出したいと考えているマネジメント層や現場の方におすすめです。
KPIマネジメントとは、CSF(最重要プロセス)とKPI(最重要プロセスの目標数値)とKGI(最終的な目標数値)を、関係者全員で共有・実行・改善し続けることです。
KPIという言葉は聞いたことがあったけど、具体的な内容は知らなかったという方にも参考となります。
まとめ
最後にケース別のおすすめ本を表にまとめました。
入門者向け |
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実践用 |
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戦略を学ぶ |
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組織構築向け |
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関連する本 |
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感染症拡大の影響を受け、多くの会社でリモートワークが増えました。これまでのマーケティング施策や営業手法だけでは、通用しなくなるかもしれません。
MAを活用して会社の課題を解決するためにも、本を読んで勉強してみてはいかがでしょうか。
最後に、シャノンのマーケティングオートメーションでは、データの一元管理による効率的なリード獲得とナーチャリングが可能です。
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