こんにちは。株式会社シャノン マーケティング部のuzukiです。
私の展示会シリーズも早いもので第三弾をむかえました。ブログを読んでいただいたかたから「読みました!大変なことやってますね!」と直接お声をかけていただくこともあり、嬉しくもやや恥ずかしい気持ちです。
さて、今回は弊社が展示会の集客企画として実施した『マーケティング漫才』についてです。
- 展示会で漫才?
- BtoB企業で情報収集しに来てる人に?
- 誰が見るの?成果になってるの?
さまざまな疑問が湧いてくると思いますが……ぐっとこらえてぜひ本文をごらんください!
■株式会社シャノン マーケティング部 イベント担当
これまでBtoB企業のマーケティング職を数社経験。2022年株式会社シャノンのマーケティング部へ入社。イベント施策をメインで担当し、ほぼ毎月リアル展示会に出展するなかで、他社さんがやっていないような新しいことに取り組もうと試行錯誤中。2022年は4回、2023年は11回リアルイベントに出展。2024年はさらにイベント出展回数が増える予定で仕組化に注力中。
展示会には集客企画が必要!でも……!
展示会に出展されている企業のみなさま、『展示会とはこういうもの』という固定観念にとらわれてしまっていませんか?
- 代理店さんから提案されたスマートなブースデザイン
- ちょっとしたお菓子を配って集客
- ブース内ミニセッションで興味を喚起
すみません、これらすべて固定観念だと言わせてください!
弊社はこのあたりの『展示会なんとなくルール』をぶち壊しつつ、そのうえで成果を出すことに全力で取り組んでいます。ちなみに私も前職で年に2~3回ペースで展示会に出展していた時は、小間位置の良し悪しや規模の大小はあれど、他社さんと似たようなブースでも「そういうもの」と思いこんでいました。違うことをする、という発想すらなかったというのが正直なところです。
展示会での集客声がけの大切さを訴えた記事でも書きましたが、展示会ってブースに来場者を呼び込まないと負け戦なのです。高額な費用をかけて出展しても、来場者がブースに入ってくれなければ、費用対効果は最悪。受注につながらない施策はお金と労力をドブに捨てているのと同じでございます。
参考:\展示会でブースに人を集めたい!/ 属人化を解消し平均値を上げた集客声がけの泥くさ~い改善
展示会のだだっぴろい会場を周ってみると、その企業のスタンスがはっきりわかります。明暗の差がすごすぎてギャップで耳キーン状態です。何も考えずに「展示会とはこういうもの」で出展しているブースも多く、もったいないと感じます。
なかでもブース内セッションについてはきちんと成果につながっているか、一度冷静に考えたいところです。
若手社員のかたがスピーカーとして一生懸命話している。しかし集客がうまくいっていないのでブースには来場者が1人も入っていない。思わず、「サクラでもいいから誰か座って聞いてあげて!」と叫びそうになりました。こんな悲しいシーンを1度ではなく、何度も見てきました。これではスピーカーの若手のかたの心も折れることでしょう。(「これも経験!」なんて思っている上司のかたがもしいるならば考え直してほしい。)
ここで気付きたいポイントが1つ!
そう。ただ漠然とブース内セッションを実施しても来場者の足は止まらないということなんです。有名企業でCMをバンバン打っていて知名度もあるような企業なら黙っていてもたくさんの人が来場してくれるかもしれませんが、それ以外の場合は旬のテーマやよっぽどの話術がない限り、セッションで人を集めるのは正直難しいと思います。また、セッションの場所が通路側ではなくブースの奥のほうだったりするとなおさら来場者はとても入りにくい!お客さんが1人も入っていない飲食店に足を踏み入れるのが怖いのと同じだと思います。
マーケティング漫才というセッションの新しい形。その成果はいかに!?
弊社ではそんなブース内セッションに代わる取り組みとしてマーケティング漫才を実施しました。
結果はどうだったのかといいますと、
1日5回のステージを3日間実施し、約500人のお客様に足を止めていただくことができました。
それではどのように考え、マーケティング漫才に行きついたのかその全貌をお伝えします。
集客企画のねらい
2022~2023年、シャノンは展示会に出まくりました。そしてそのたびに改善を重ね、データを分析してきました。
その結果、過去の展示会のバーコードデータから何時頃に来場者が増え、何時ごろに人波が落ち着くのかがわかってきました。
だいたいどの展示会も11時、13時、15時に来場ピークが来て、その時はありがたいことに弊社のブースも接客台が全席埋まることもありました。ただ、逆にいうとそれ以外の時間は来場者が減ってしまうため、ここを補完する集客企画が必要だと感じていたのです。
どれくらいの人数を集客して、どれくらい接客員がいれば、展示会で目標とする商談数を出せるのか。過去のデータを分析することで接客員1人あたりが接客すべき人数も算出できました。つまり、集客企画によってボトムとなる集客数を増やしつつ接客員を増員すれば、名刺獲得数が増え、結果的に商談数も増やせるのです。1回の展示会から出せる商談が多ければ多いほど費用対効果は高くなります。(手前味噌ながらシャノンのマーケティングオートメーションは過去の展示会の実績を分析する際も大変役立ちます)
漫才というコンテンツ
では、なぜ漫才なのかという点ですが先に述べたように、ただ漠然とブース内セッションを実施しても来場者の足は止まらないからです。
MA(マーケティングオートメーション)という製品になじみのない来場者のかたも多く、何か集客のフックが必要です。プロの芸人さんに漫才をやっていただくことで、「何だろう?おもしろそう!」と興味を引いてまず足を止めてもらいたい。また、マーケティングシステムを身近に感じられるようなオリジナルのネタを見ていただくことでハードルを下げ、MAなど弊社サービスにも興味を持っていただけるのではないかというねらいがありました。(生命保険のCMで華丸大吉さんも漫才の体でしっかり商品説明につなげていますよね)
もちろん、じゃあ漫才で集客できた人がちゃんと自社の製品を買ってくれるお客さんだったのか?とか、目新しさだけで製品の導入という本来の目的に寄与しているのか?という疑問はありますよね。そこに関しては、展示会とは新しいお客様との出会いの場だと思っていて、最初からお客様を選びすぎてしまうと当然、出会いの数は減ってしまいます。『ボトムの名刺獲得数が増えないとトップの受注も増えない』これもこれまでの展示会で嫌というほど体験してきているため、まずまとまった数を集客できるマーケティング漫才は選択肢としてアリだったと思っています。
漫才ステージが終わった後にはお客様をブースの中に誘導するオペレーションも組んでいたので、来場者が減ってしまう時間帯にも接客数を増やすことができました。(接客の最初のアイドリングトークとしても「なんで漫才やってるんですか?笑」なんて聞かれたりして少し盛り上がれるという副次的効果も◎)
通常のブース内セッションで、製品のことをなんとな~く紹介しても、この約500人は集められなかったと思います。
よく質問をいただくマーケティング漫才のあれこれお答えします。
それでは、ここで箸休め企画としてマーケティング漫才について、お客様や他の出展社さんからよく聞かれる疑問にお答えしたいと思います。
Q:芸人さんに依頼するのってどのぐらいかかるんですか?高いですよね?
A:いくらとは口外できませんが、意外ととんでもないほど高額ではないです。芸人さんへ依頼する窓口の会社さんがいて、その代表のかたの人脈のおかげで弊社の予算内で素敵な芸人さんをご依頼することができています。(ありがとうございます!)ちなみにこのマーケティング漫才の企画も弊社発のため、代理店さんにお任せでやってもらってるわけではありません。だからこそ熱も入りますし、芸人さんに失礼なことがないよう、展示会担当が最大限のリスペクトを込めて依頼させていただいております。
Q:ネタはどうやって考えているの?
A:テーマは弊社で設定し、それを元に芸人さんに考えていただいてます。今回の展示会だと弊社の主力製品であるマーケティングオートメーションや最近リリースした生成AIを活用した新サービスと関連してChatGPTという旬のテーマで作っていただきました。
弊社からのオーダーとしては、いきなり製品の紹介から入ってしまうと、お客様も馴染みがなくてご理解いただけないと思うので、身近な生活のことから話を広げていただくように依頼しました。芸人さんが仕上げてくださった台本の初稿に、展示会担当者である私が製品について誤解がないか、伝わる内容になっているかなどの観点で少しだけ校正を入れさせていただいて、何度かキャッチボールしたあとに完成という流れで作成しています。
Q:出演する芸人さんはどうやって選んでいるの?
A:窓口の会社さんから候補リストをいただいてスケジュールの調整を行いながら決めています。展示会は一種のお祭りの場なので、出来るだけ明るくて元気な芸人さん(※)にご依頼することが多いです。ガヤガヤした会場で、隣のブースでもセッションをやっていたりするので、負けないくらい大きな声をお持ちのかたが合っているかなと思って1つの選定基準にしています。あとはやっぱり集客が目的なので、お名前が知られているかたにご出演いただけたらそれはそれでとてもありがたいです。これまでだと“シカゴの女”で有名なゆめちゃんさんにご出演いただいた時には一回のステージで100人近いお客様が集まり、大写真撮影会になったということもありました。
※余談ですが芸人さんの声と入場の出囃子の音が大きすぎて展示会の事務局から注意も受けました。(本当に申し訳ございません)
Q:芸人さんは展示会の出演についてどう思っているの?
シャノンのマーケティング漫才に何度もご出演いただいているおしどり大名さんに感想を聞いてみました。
from: てんこ盛り男さん
お仕事をいただけるという点でとてもありがたいです。商品の説明が主ではありますが、日頃、自分達が磨いている感性を活かすことも出来るので非常にやりがいもあります。
なにより普段なかなか触れることのない貴重な機会なのでとても良い経験をさせていただいていると思います。
from: はるのぶさん
お祭りや行事などに出演したことは何度かありましたが、あのような企業様が集まった展示会は初めてだったのでとても新鮮で勉強になりました!全く興味のない人たちも含めて集め、名刺交換まで持っていく流れを作りましたがなかなか難しい部分も多かったです!
何回目かに知名度がある先輩が入られた時に僕たちのアイキャッチ、声かけ、物珍しさで出来ることには限界があると感じました!知名度で人を呼び込む事の力の強さをひしひしと感じました!早く売れて知名度を上げシャノン様に貢献できるように邁進して参ります!!!
色々無茶なお願いをしているにもかかわらず、いつも最大限弊社のやりたいことに協力してくださる芸人さんに感謝が止まりません。(余談ですが、展示会後におしどり大名さんがテレビでかまいたちさんと共演していてとても嬉しくなぜか私まで誇らしい気持ちになりました。)
漫才ステージは仕組みが9割
前章でも軽くお伝えしましたが、漫才ステージが終わった後にはお客様をブースの中に誘導するオペレーションも組みました。これまで何度か展示会でマーケティング漫才を実施していますが、このオペレーションが確立されていない時代は、漫才で集客できても終わった瞬間に蜘蛛の子を散らすようにあっという間に帰られてしまう、という不遇の時代も経験しています。
マーケ部員としてこれまでさまざまな施策をやってきましたが、つくづく思うのはやって満足して終わりではだめなんですよね。目的があって施策をやっているのに、いつのまにか施策をやることが目的になってしまう逆転現象が起きがちです。ここらへんがChatGPTでは出力できない人間のバグなんですよね……。
マーケティング漫才はあくまでも集客企画として来場者のかたに足を止めてもらい、ブースでの接客数をあげること。漫才見てもらっておもしろかったねって帰ってもらうのも、それはそれで光栄ですが、数字につながらないと意味がないのです。(私も部長にしばかれてしまいます)
成果につなげるためのオペレーション
弊社では漫才後、接客につなげるため、こんなオペレーションを策定しました。
- メイン通路に向けてステージを配置し漫才で集客
- 漫才終了後は列に並んでいただく
- ノベルティをお渡し
- マーケのかた向けお役立ちコーナーに誘導し、ホワイトペーパーをお渡し
- ご興味をヒアリングしながら接客につなげる
しかしながら、展示会の会場では事前の想定と違う事態もよく起こります。そしてこの時に高速でPDCAをまわすスキルが求められます。
ノベルティ配布後に進んでいただく場所にマーケお役立ちコーナーを作って、お客様に選んでいただけるようホワイトペーパーもたくさん用意しました。ここでマーケティング職種のお客様をしっかり接客しようと思っていたのです。しかし!会場で実際にこの動きをやってみると、思っていたよりも列に並んだ人が詰まってしまい、上手く接客に流せない事態が発生してしまいました。
これはいかん!と急遽メンバーで集まってオペレーションのプランBを検討。ホワイトペーパーは選んでもらうのではなく、こちらがピックアップしたものを高速でお渡しし、接客担当にバトンパスする流れを決行し、なんとかスムーズにお客様を誘導しつつ接客につなげる流れが出来上がりました。
企画は振り切る!細部までこだわる!
以前に書いた記事でも触れたのですが、他社様と同じようなそれっぽいブースを作っても、認知も上がらないし仮説からの検証もできません。
参考:【BtoB展示会】目指したのはド〇キ?シャノン流ちょっとおかしなブースの作りかた
ちょっと異色の企画にも思い切ってチャレンジしてみたいと思っています。
- 前回踏襲の代り映えしないブースから脱却する
- 同業他社さんに右にならえではなく、新しいことを先陣切ってやってみる
- やるなら、中途半端ではなく振り切る
このあたりの行動指針を担当として自分自身に設定することも大事だなと思います。批判されたり、冷笑されたりすることもあるかもしれません。でも新しいことって怖くもあり、とてもワクワクすることでもあるんですよね。
やるならとことん振り切る
BtoBの展示会でIT系のベンダーが漫才ステージを実施する。まあまあ勇気がいる施策です。でもここで日和ってはいられません。やるならデザインや小道具にもこだわりたい!ということで、マーケティング漫才の装飾おこだわりをご紹介させてください。
■ステージ
ブランドカラーのブルーはブースに施し、ステージはそこに埋もれないようにあえてバリバリ寄席感を出しました。ステージには福袋も設置し、めでたい感じに。正直ここまで振り切っていいものかデザイン決定の時にはドキドキしていました。会場でステージを見て、やっと「よし!これで行くぞ!」と思うことができました。
■小道具(めくり台)
寄席で噺家さんの隣にあるような長尺の紙に名前が書いてある“めくり”をどうしても置きたくて、代理店さんに手配してもらってなんとかレンタルすることができました。ちなみにめくる用の紙は展示会担当自らが慣れないイラレをちまちま操作し作成しております。
ただ展示会前の差し迫る時間のなかで、この長尺の印刷をどこにお願いすれば出力してもらえるのか頭を抱えました。結果なんやかんやあって、いつもお願いしているキンコーズさんで対応いただけることになりました。(キンコーズさんいつも急ぎで無茶なお願いを聞いていただき本当にありがとうございます!)
さいごに 展示会担当者の所感
先にも書きましたが、展示会ってその会社のスタンスがはっきり見える場だと思います。
朝早い時間から朝礼をやっている企業さんは展示会ガチ勢だし、1日目の終わりに円になって振り返りをしているスタートアップ企業からは「俺たちがこれから市場を作るんだ!」という熱を感じます。反対にブースに人が入ってなくてもスタッフさんが座って待ちの姿勢になってしまっていたり、閉場時間になると光の速さで帰っていくブースもあって、なんとなくもったいなく感じます。企業さんによって規模も違えば展示会に向かうスタンスも全然違いますよね。
弊社では、「あ!この企業さん本気だな」と思ったら、すぐにマネをするようにしています。展示会のオープン前の朝の時間に出展社を対象にコーヒーを配布している企業さんがいればさっそく次の展示会で朝の時間帯の出展社向けアプローチをやってみたり、ブース内セッションで列に並んでもらうためのパネルが良いなと思ったら次の展示会で早速やってみたりしました。弊社もまだまだ勉強中です。
BtoBの展示会というオフィシャルな場でどれだけ真剣に戦えるか、自分たちの考えた戦略を本気でやることを楽しめるか、この辺は本当に大事だなあと感じます。弊社も展示会では1日目の獲得に苦戦したことがあり、かなりつらい戦でしたが2~3日目にリカバリーしてなんとか目標数字に近づけることが出来ました。展示会の初日は胃に穴が空きそうになりますが、でも結果で一喜一憂できるのも本気でやっているからだと思っています。
『展示会なんとなくルール』なんて固定観念はぶち壊して試行錯誤していきたい、その検証がきっと弊社のお客様のお役にも立つはずだと信じています。「展示会に行ったらシャノンのブースチェックしよう」とベンチマークされるような新しい取り組みを続けていきたい所存です。ぜひ展示会にご出展&ご来場の際にはシャノンブースにお越しいただけたら嬉しいです。
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今回の記事はいかがでしたでしょうか?直接でも間接でも構いませんので感想などいただけたら更新の励みになります。
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「展示会からの商談をもっと増やしたい!」とお考えのみなさま
シャノンのマーケティングオートメーションをお使いいただくことで効果的に商談を増やし、展示会の費用対効果が向上します。
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最後に、シャノンのマーケティングオートメーションでは、データの一元管理による効率的なリード獲得とナーチャリングが可能です。
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