製造業・建設業がMA・SFAを導入するメリットは?注意点やメリット、DXの進め方、事例を解説

世界では製造業DXが加速化しています。日本の製造業でもDXが欠かせません。

日本の製造業はかつて基幹産業といわれていましたが、近年においても、GDPの30%を占めるサービス業に次いで、製造業は2番目、20%以上(2021年)のシェアがあり、主要な産業であることに変わりはありません。製造業DXの推進は、日本経済にとっても重要です。

今回は、製造業DXの現状、DXを推進して実現できること、進め方や成果を上げるためのポイントを基本から解説します。後半では、シャノンのお客様が製造業DXを成功させた事例をご紹介しています。

建設・製造業の営業DXを加速。商談数を最大化させるMA一体型SFAの活用法

国産MAと一体化した「商談を増やせるSFA機能」の資料を無料でダウンロードする

製造業・建設業のDXを進めるMA・SFAとは?

製造業・建設業におけるマーケティング・営業活動を効率化するツールがMAやSFAツールです。ここではそれぞれのツールの特徴について解説していきます。

MAとは?

MAとは「Marketing Automation」の略で、マーケティング活動に関わる繰り返し業務をソフトウェアで自動化・効率化する考え方、またはそのツールを指します。メール配信、Web行動の把握、見込み客の管理、スコアリングなどを通じて、顧客ごとに適したコミュニケーションを行いやすくするのが特徴です。

製造業のMAツールを検討する場面では、単にメールを自動送信するためではなく、見込み客の関心度を把握し、確度の高い相手を営業へ引き渡すための仕組みとして理解するとわかりやすくなります。

MAには、主に以下の機能があり、スコアの高い見込み客を営業に連携することで、営業部門が優先順位をつけて動けるようになります。

  • リード管理
  • Web行動分析
  • スコアリング
  • セグメント配信 など

建設業でも製造業でも、検討期間が長くなりやすい商材では、MAで見込み客を育成し、適切なタイミングでSFA側の営業活動につなぐ流れが有効です。

SFAとは?

SFAとは「Sales Force Automation」の略で、日本語では一般に「営業支援システム」と訳されます。営業活動を効率化・可視化し、属人的になりやすい営業を組織で再現できる形に整えるのが役割です。

SFAは顧客情報、商談履歴、営業活動データなどを一元的に集約・分析し、営業プロセス全体を改善します。

主な機能は、以下のとおりです。

  • 案件管理
  • 行動管理
  • 予実管理
  • レポーティング
  • 顧客情報管理 など

建設業であれば案件ごとの進捗や担当者対応の見える化、製造業であれば引き合いから受注までの管理精度向上に使いやすく、担当者の経験や勘だけに頼らない営業体制づくりに向いています。特に、複数部門が関わるBtoB営業では、情報共有の土台としてSFAが機能しやすいといえます。

製造業・建設業がMA・SFAを導入するメリット

製造業・建設業では、人手不足への対応や業務効率化が大きな課題です。

見込み客育成を自動化するMAと、案件管理を強めるSFAは、建設業・製造業の営業DXを進めるうえで相性のよい手段といえます。

製造業・建設業がMAツールを導入するメリット

MAを導入すると、すぐに受注に至らない見込み顧客にも、継続的にアプローチできるようになります。比較検討期間が長い製造業・建設業では、とくに効果を発揮しやすいのが特徴です。

メリット 詳細
見込み顧客を継続的に育成できる
  • 問い合わせ後のフォローを自動化できる
  • メール配信や情報提供を継続しやすい
  • 検討中の顧客との接点を維持できる
営業が「今対応すべき顧客」を見極めやすくなる 下記をもとに興味度を把握しやすい

  • 資料ダウンロード
  • Webサイト閲覧履歴
  • セミナー参加履歴
  • 問い合わせ内容
営業効率を高められる
  • 温度感の高い見込み客に優先対応できる
  • 受注確度の低い層への手作業フォローを減らせる
  • 営業担当者の負担を軽減できる
長期検討型の商材と相性が良い 下記のような検討期間が長い商材に向いている

  • 製造業の設備・部材・システム提案
  • 建設業の工事案件・施工サービス
  • 高額商材や専門性の高い提案
複数の意思決定者へのアプローチに役立つ
  • 担当者だけでなく決裁者向け情報も届けやすい
  • 事例資料や技術資料を段階的に配信できる
  • 商談化前の信頼形成を進めやすい

製造業・建設業がSFAツールを導入するメリット

SFAを導入すると、営業活動を個人任せにせず、組織で管理しやすくなります。

とくに建設業や製造業では、案件期間が長く、関係者も多いため、情報の見える化が大きなメリットになります。

メリット 詳細
案件情報を一元管理できる 以下をまとめて管理できる

  • 顧客情報
  • 提案内容
  • 見積状況
  • 商談の進捗
  • 次回アクション など
営業活動の属人化を防げる
  • 担当者しか知らない情報を減らせる
  • 担当変更時の引き継ぎがしやすい
  • ベテラン依存の営業体制から脱却しやすい
受注率の改善につながる
  • どの案件を優先すべきか判断しやすい
  • フォロー漏れや対応遅れを防げる
  • 成果が出ている営業手法を社内で共有しやすい
社内連携がスムーズになる
  • 製造業では営業・技術・製造部門の連携強化に役立つ
  • 建設業では営業・現場・管理部門の情報共有がしやすくなる
  • 顧客対応の履歴を部門横断で確認できる
データを次の提案や改善に活かせる
  • 過去の受注・失注データを分析できる
  • 顧客ニーズや課題を蓄積できる
  • 製品改善や提案精度の向上につながる
属人化した営業から脱却。MA連携で「売れる仕組み」を作る方法を確認

国産MAと一体化した「商談を増やせるSFA機能」の資料を無料でダウンロードする

製造業・建設業がMA・SFAを導入する際の注意点

製造業・建設業でMAやSFAを導入する際は、単に「便利そうだから入れる」という進め方ではうまくいきません。

この2業界は、商談期間が長く、関係者も多く、営業・現場・管理部門の連携が欠かせないためです。さらに、建設業は現場ごとに情報が分かれやすく、製造業は見積から受注、設計、生産まで工程が多いため、運用が合わないツールを選ぶと、かえって業務が煩雑になります。

MAやSFAの導入前に押さえたい注意点は、次のとおりです。

注意点 詳細
導入自体を目的にしない ツールを入れることではなく、営業やマーケティングの課題をどう改善するかを先に整理する
自社の業務に合うかを確認する 一般的な営業フローではなく、自社の案件の進み方に合うかを見る
現場で使える運用を前提にする 入力が面倒だと定着しないため、営業や現場が無理なく使える設計にする
情報を分断させない MA、SFA、見積管理、受発注などの情報がバラバラだと活用しづらい
最初から完璧を目指さない まずは一部の部署や業務で始めて、運用を固めてから広げる
成果指標を明確にする 「入力件数」ではなく、商談化率や案件管理の精度向上などを評価軸にする

製造業・建設業でMA・SFAを成功させるには、機能の多さよりも「自社で使い続けられるか」が重要です。導入前に業務フローと運用ルールを整理しておくことが、失敗を防ぐポイントです。

製造業・建設業がMAツールを導入する際の注意点

MAは、見込み顧客を増やし、育て、営業につなぐためのツールです。ただし、製造業・建設業では、資料請求や問い合わせがすぐ受注につながるとは限りません。比較検討に時間がかかるため、単にリード数を増やすだけでは成果が出にくいのが実情です。

そのため、MAは「集客ツール」としてではなく、「見込み顧客を適切に育成する仕組み」として考える必要があります。

MA導入時に注意したいポイントは、次のとおりです。

注意点 詳細
リードの基準を曖昧にしない 問い合わせ、展示会名刺、資料請求などを同じ重みで扱わず、見込み度を分けて管理する
営業に渡すタイミングを決める どの行動をしたら営業が追うべきか、事前にルール化しておく
コンテンツ不足のまま始めない 配信する資料や情報がないと、見込み顧客を育成できない
検討段階に合った情報を用意する 初期検討、比較検討、具体相談の各段階で、届ける内容を変える
営業部門と切り離して運用しない マーケティングだけが情報を持つ状態になると、商談につながりにくい
個人情報の管理体制を整える 顧客情報や行動履歴を扱うため、権限設定や社内ルールを明確にする

製造業なら技術資料や導入事例、建設業なら施工実績や対応内容など、見込み顧客が判断しやすい情報を継続的に届けることが大切です。MAは、導入するだけで成果が出るものではありません。営業と連携しながら、適切な相手に適切な情報を届ける仕組みをつくってこそ効果を発揮します。

製造業・建設業がSFAツールを導入する際の注意点

FAは、営業活動や案件の進捗を見える化するためのツールです。しかし、製造業・建設業では案件の進み方が複雑なため、よくある営業支援ツールのテンプレートをそのまま当てはめても、うまく定着しないことがあります。入力項目が増えるだけで、現場の負担になるケースも少なくありません。

だからこそ、SFAは「管理のためのツール」ではなく、「案件を共有し、受注につなげるための基盤」として設計することが重要です。

SFA導入時に押さえたい注意点は、次のとおりです。

注意点 詳細
営業プロセスを整理してから導入する 案件ステージが曖昧なままだと、入力データにばらつきが出る
現場で入力しやすいことを重視する 外出先や現場からすぐ更新できないと、結局使われなくなる
入力項目を増やしすぎない 必要以上に細かい入力を求めると、現場の負担になる
営業日報の置き換えで終わらせない ただ記録するだけでなく、案件判断に使える情報を蓄積する
他システムと連携できるか確認する 見積、受発注、顧客情報と分断すると、二重入力が起きやすい
小さく始めて定着させる 最初から全社展開せず、一部で試して改善しながら広げる
活用できる指標で評価する 入力率ではなく、案件停滞の把握や受注率改善につながるかを見る

建設業では、現場での使いやすさが特に重要です。製造業では、見積条件や仕様、納期などの情報も一緒に管理できるかがポイントになります。

SFAは、入力させるためのツールではなく、営業の属人化を防ぎ、案件の状況を正しく共有するための仕組みです。無理なく使える形で導入し、少しずつ定着させることが成功のポイントです。

製造業・建設業におけるMA・SFAツールの選び方

製造業・建設業でMAツールやSFAツールを導入する際は、単に知名度や機能数で選ぶのではなく、自社の業務課題に合っているかを軸に判断することが重要です。

特にこの2業種では、以下のような共通課題があります。

  • 人手不足による業務負担の増加
  • 属人化した営業活動や顧客対応
  • 部門ごとに分断された情報管理
  • 紙・Excel・口頭共有に依存した運用
  • 案件進捗や顧客状況が見えにくいことによる機会損失

そのため、MA・SFAツールを選ぶ際は、次のような観点を意識すると失敗しにくくなります。

選ぶ際の観点 詳細
自社の課題に合う機能があるか
  • リード獲得や育成に課題があるならMA
  • 案件管理や営業活動の属人化に課題があるならSFA
既存業務と無理なく連携できるか 以下の既存ツール・業務を連携しやすいか

  • 基幹システム
  • 顧客管理
  • 見積作成
  • 問い合わせ管理
現場や営業担当が使いやすいか
  • 入力しやすい画面か
  • スマホやタブレットでも使いやすいか
定着支援やサポート体制があるか 以下のようなサポートが充実しているか

  • 初期設定支援
  • 操作説明
  • 導入後フォロー
将来的な拡張性があるか
  • 他ツールと連携しやすいか
  • データを活用しやすいか
  • 利用人数増加への対応ができるか

製造業・建設業におけるMA・SFAツール選定では、高機能かどうかよりも、現場で使い続けられるかどうかが成功の分かれ目になります。

製造業・建設業におけるMAツールの選び方

MAツールは、見込み顧客の情報を収集・管理し、メール配信や行動分析などを通じて、商談につながる顧客を育成するためのツールです。

ただし、製造業と建設業では営業の流れや顧客との接点が異なるため、選ぶ際に重視すべきポイントも変わります。

製造業・建設業共通のMAツールの選び方

製造業・建設業のどちらでも、MAツールを選ぶ際は、まず次のような共通ポイントを確認しておくことが重要です。

選ぶ際の観点 詳細
自社にMAが本当に必要な段階か
  • 問い合わせや見込み顧客が一定数あるか
  • 継続的な情報発信や追客の仕組みが必要か
見込み顧客を段階別に管理できるか 以下の段階別に整理して管理できるか

  • 問い合わせ直後
  • 情報収集中
  • 比較検討中
  • 商談直前
顧客行動を把握できるか 以下の顧客行動を管理できるか

  • メール開封
  • 資料ダウンロード
  • Webページ閲覧
  • セミナー申込
営業部門へ適切に引き渡せるか 以下の機能があるか

  • スコアリング
  • ホットリード通知
  • SFA・CRM連携
少人数でも運用しやすいか
  • シナリオ設計が複雑すぎないか
  • 配信設定や効果測定が分かりやすいか
他システムと連携しやすいか 以下のシステムと連携できるか

  • 問い合わせフォーム
  • 顧客管理
  • SFA
  • 名刺管理ツール

特に中小企業では、機能が多いMAツールよりも、必要な施策を無理なく回せるツールのほうが成果につながりやすくなります。

製造業におけるMAツールの選び方

製造業では、商談化までの期間が長く、検討に複数部門が関わるケースも多いため、長期的な見込み顧客育成に向いているかが重要な判断基準になります。

MAツールを選ぶ際に重視したいポイントは以下の通りです。

選ぶ際の観点 詳細
長い検討期間に対応できるか
  • すぐに受注につながらない顧客にも継続接触できるか
  • 数か月単位でのフォロー設計がしやすいか
細かなセグメント配信ができるか 以下のようなセグメント配信ができるか

  • 業種別
  • 製品別
  • 用途別
  • 課題別
  • 検討段階別
技術情報や製品情報の活用に向いているか 以下の情報の活用に向いているか

  • 製品資料
  • 技術資料
  • 導入事例
  • ホワイトペーパー

見込み顧客の検討期間が長いことを前提に、適切なタイミングで情報提供できるかを軸にMAツールを選ぶことが大切です。

建設業におけるMAツールの選び方

建設業では、紹介や既存顧客経由の案件が多い企業も少なくなく、製造業のように大量の見込み顧客を継続育成するケースばかりではありません。

そのため建設業では、大量配信向けの機能よりも、限られた顧客との接点を継続できるかを重視することが大切です。

MAツールを導入する際に確認したいポイントは、以下のとおりです。

選ぶ際の観点 詳細
少数顧客でも使いやすいか
  • 顧客数が多くなくても運用負荷が高すぎないか
  • 現場業務と並行して使えるか
既存顧客フォローに活用しやすいか 以下のフォローができるか

  • 定期点検案内
  • 修繕提案
  • リフォーム提案
  • セミナーや見学会の告知
問い合わせ情報を整理しやすいか 以下の情報を整理しやすいか

  • フォーム問い合わせ
  • 資料請求
  • イベント申込

建設業では、見込み客の母数がまだ多くない企業もあるため、MA単独で考えるのではなく、SFAや顧客管理の整備と合わせて導入効果を見極めることが重要です。

製造業・建設業におけるSFAツールの選び方

SFAツールは、顧客情報、案件情報、営業活動、商談進捗を一元管理し、営業の属人化を防ぎながら受注率を高めるためのツールです。

製造業・建設業では、営業だけで案件が完結しないことが多いため、単なる営業日報管理ではなく、社内外の関係者と連携しやすいかどうかが選定のポイントになります。

製造業・建設業共通のSFAツールの選び方

製造業・建設業共通して、SFAを導入する際に確認したいポイントは、以下のとおりです。

選ぶ際の観点 詳細
顧客・案件情報を一元管理できるか 以下の情報を一元管理できるか

  • 顧客情報
  • 商談履歴
  • 提案内容
  • 見積履歴
  • 進捗状況
営業活動の見える化ができるか 以下の情報を可視化できるか

  • 案件ステータス管理
  • 失注理由の記録
  • 受注見込みの把握
入力しやすいか
  • 項目が多すぎないか
  • 外出先からでも更新しやすいか
  • 自動入力や連携機能があるか
ダッシュボードやレポートが見やすいか 以下の情報が見やすいか

  • 案件一覧
  • 営業進捗
  • 担当者別の状況
権限管理がしやすいか
  • 部署別・役職別に権限管理できるか
  • 案件別に閲覧制御できるか
導入後の定着支援があるか 以下の支援・サポートが充実しているか

  • 初期設定支援
  • 操作説明
  • 活用サポート
他システムと連携できるか 以下のシステムと連携できるか

  • MA
  • CRM
  • 見積作成
  • 会計
  • 基幹システム

SFAツール選定で特に重要なのは、高機能であることより、現場が継続して使えることです。

入力負担が大きすぎると定着しにくく、結果的に情報が蓄積されません。

製造業におけるSFAツールの選び方

製造業の営業は、単純な案件管理だけでなく、技術相談、試作、見積変更、納期調整など、複数部門をまたぐやり取りが発生しやすいのが特徴です。そのため、製造業向けのSFAでは、営業・技術・生産の情報をつなげられるかが重要になります。

製造業においてSFAツールを選ぶ際に重視したいポイントは、以下のとおりです。

選ぶ際の観点 詳細
案件ごとに詳細な情報を管理できるか 以下の情報を管理できるか

  • 品番
  • 図面番号
  • 仕様情報
  • 数量
  • 試作状況
  • 見積版数
部門連携しやすいか 以下の部門と連携しやすいか

  • 営業
  • 技術
  • 生産管理
  • 品質管理
  • 購買部門
見積から受注までの変化を追いやすいか 以下の情報を追いやすいか

  • 金額変更履歴
  • 提案履歴
  • 納期調整履歴
基幹システムと連携しやすいか 以下のシステムと連携しやすいか

  • 販売管理
  • 生産管理
  • 在庫管理
  • 顧客管理

製造業でSFAを選ぶ際は、営業管理機能だけでなく、技術・生産との橋渡し役として使えるかを重視することが大切です。

建設業におけるSFAツールの選び方

建設業では、案件ごとに発注者、現場、協力会社、見積、契約、施工、アフターフォローまで流れが長く、関係者も多くなりやすい傾向があります。そのため、建設業向けSFAでは、営業情報だけでなく、工事案件全体を見渡せるかが重要です。

建設業においてSFAツールを選ぶ際に確認したいポイントは、以下のとおりです。

選ぶ際の観点 詳細
受注後の流れともつながるか 以下の流れと連携しやすいか

  • 施工管理
  • 工程管理
  • アフターフォロー
現場からでも更新しやすいか 以下の機能があるか

  • スマホ対応
  • タブレット対応
  • 写真添付
  • 外出先入力
情報共有しやすいか
  • 社内メンバー・協力会社と情報共有しやすいか
  • 関係部署と連携しやすいか
引き継ぎ漏れを防げるか
  • 契約前後の情報を共有しやすいか
  • 案件履歴を蓄積できるか
  • 対応履歴を見える化できるか

建設業でSFAを選ぶときは、営業部門だけで閉じたツールではなく、現場や受注後業務ともつながるかを重視すると、導入後の活用範囲が広がります。

現場の使いやすさと商談創出を両立。SFA選定の決定打に

国産MAと一体化した「商談を増やせるSFA機能」の資料を無料でダウンロードする

製造業DXの現状と課題、今どうなっている?

日本の製造業DXの現状、DXで実現できること、今後に向けての課題は何かについて解説します。

DXとは?そして製造業DXとは?

DXとは?についてはいくつかの定義づけがされていますが、簡単にいうと、最新のデジタル技術を活用して企業を変革し、生産性を上げることです。

具体的なデジタル技術の例としてはAI、ビッグデータ、IoT、デジタルツインなどがあります。DXの対象は業務全般だけでなく、企業の組織・文化までを根本から変革すべきとされています。

経産省などによる一般的なDXの定義、DXの基礎知識については、以下の記事でくわしく解説しています。
参考:DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?意味やメリット、最新事情を解説

今回のテーマである製造業DXについて、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)では以下のように定義しています。

“顧客価値を高めるため、製造分野で利用されている製造装置や製造工程の監視・制御などのデジタル化を軸に、ITとの連携により、製品やサービス、ビジネスモデルの変革を実現すること”

つまり製造業DXとは、最新のデジタルテクノロジーを活用して業務全般を効率化し、品質を高め、競争力をつけることです。

QCD、インダストリー5.0など関連用語を確認

製造業DXに関連するキーワードについて確認しておきましょう。

サプライチェーン(SC)、エンジニアリングチェーン(EC)、バリューチェーン

サプライチェーンとは原材料の調達、製品化、物流、販売など、モノを供給する一連の業務のことです。一方、エンジニアリングチェーンとは、設計、開発、製造、保守など、技術面から見た製品開発の業務です。サプライチェーンとエンジニアリングチェーンといった、製品やサービスが企画から顧客に届くまでの全体的な価値創造のプロセスをまとめてバリューチェーンと呼びます。製造業DXではサプライチェーン、エンジニアリングチェーンを一体的にデジタル化・効率化することが重要です。

QCD

製造業で重要なQuality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)という3つの要素のことです。QCDそれぞれをバランスよく向上させていくことが求められます。

ダイナミックケイパビリティ

環境の変化に対して素早く適応する力のことで、「企業変革力」と同義です。ダイナミックケイパビリティは変化の激しい現代において企業の持続的な成長に不可欠です。たとえば近年は、感染症・国際紛争・為替変動といった変化がありますが、企業は調達先や生産拠点を変更して柔軟に対応し、サプライチェーンを素早く再構築することが求められます。

インダストリー5.0

2011年、ドイツは自国のものづくり企業の強化策を「Industrie4.0」として推進し、成功させました。この次の段階として、欧州委員会が2021年に、「持続可能」「人間中心」「回復力」を柱とする次世代産業革命を「Industry5.0」として提唱しました。AIやビッグデータなど最新テクノロジーを活用して改革を実現するとされています。

日本では製造業DXが急務

製造業DXの現状はどうなっているでしょうか。
現在までの、日本の製造業DXの進みは順調とはいえません。

以下は、World Economic Forumが選定した、「Lighthouse」、世界の先進的な工場の一覧です。

World Economic Forumが選定した、「Lighthouse」、世界の先進的な工場の一覧

出所:世界経済フォーラム

2023年12月には世界で24工場が新たに選出され、2018年からの累計で全153拠点となっています。今までに日本から選定されたのは日立製作所大みか工場、GEヘルスケア費の工場、P&G高崎工場の3拠点。世界では、中国が60拠点、インド14拠点、北米11拠点などとなっています。

また、IMDが発表する「デジタル競争力ランキング」で2023年の日本は64か国中32位。2019年の23位から少しずつランクを下げています。

1980年代~2000年代初頭まではソニー、Panasonic、NECなどが世界有数のメーカーでしたが、現在、世界時価総額ランキングTOP50に入っているのはトヨタ自動車のみ、ということもよくニュースで取り上げられています。

一方、近年のランキングで上位のテスラ、エヌビディアといったグローバルな企業は高度なデジタル化を実現し、ダイナミックな成長を続けています。
日本の製造業各社が世界で競争していくために、DXにより生産性と国際競争力を向上させていくことが急務となっています。

製造業DXで実現できる9つのこと

製造業DXで何が実現できるのでしょうか。以下が挙げられます。

1.属人化していた技術の可視化と共有
日本では「失われた30年」の景気低迷もあり、技術力が高かった1990年代頃の製造ラインとオペレーションシステムを更新せず、現場の技術者のスキルでカバーしてきた企業が多いといわれます。こうした現場では技術が属人化して十分に継承されないという問題があります。生産体制をデジタル化することにより、属人化しがちだった技術を可視化し、共有したり高度にデータを活用したりできるようになります。

※参考:データドリブンとは?用語やメリット、マーケティング方法を事例付きで解説!

2.とりあたり生産性向上と人材の最適化
デジタルツール導入、自社システムの再構築、AI活用などの改革により、ルーティンワークを人が担当することがなくなり、社員は高度な戦略的業務に専念できます。一人あたりの生産性が向上するので、企業は給与水準を上げることができ、良い人材の確保もしやすくなります。

3.集客力の向上
BtoBの製造業ではマーケティングに本格的に取り組んでいない企業も一定割合あります。技術力や製品の魅力がターゲット企業に届いていないことも多いので、営業部門に加えて、デジタルマーケティングを実践することにより集客が増え、売上にも寄与します。

参考:マーケティングDXとは?【前編】定義やメリット、進め方、企業事例を紹介
マーケティングDXとは?【後編】「顧客体験の構築」はウェビナーを軸に展開

4.製品の価格競争力が向上
品質の高い製品をより低コストで生産できるようになり、価格競争力が向上します。グローバル市場でシェアを拡大するチャンスも増えるでしょう。

5.顧客満足度の向上
DXにより製品の品質が向上するほか、顧客にとっての製品購入のしやすさ、アフターフォロー体制などを最適化でき、顧客満足度が向上します。

6.ダイナミックケイパビリティの確保
情報を一元管理して全体で共有し、部門間でも連携ができていると、環境要因が変化したときに柔軟かつスピーディーな改善が可能です。不確実性の高さが指摘される今後についても対応できる体制が整います。

7.コアコンピタンスの強化と新規事業への展開
DXを推進するなかで自社の知財を見なおし、コアコンピタンスの明確化、強化を図ることができます。コアコンピタンスを活用して時代のニーズに合った新規事業を創出できる可能性も高くなるでしょう。

8.GXに向けた事業最適化
製造業には脱炭素化が求められています。GX(グリーントランスフォーメーション)とは、脱炭素化のための取組を指しています。カーボンニュートラルを目指すGX推進のためにも業務効率化や省エネにつながるDXは欠かせません。

9.グローバルな水平分業へのアクセス
世界では、競争力があるコアコンピタンスを外部化してグローバルな水平分業・協業へ展開することにより収益性を高める動きが加速しています。DX推進によってこのようなダイナミックな企業活動が可能になり、企業がさらに成長する機会が広がります。

参考:経済産業省「製造業のDXについて

製造業DX推進の課題

日本では、製造業DXが重要と認識されながらも順調に進んでいない現状があります。
2024年度に向けた製造業のDXにおける投資予算や課題などの実態調査」の結果によると、DXを推進する課題は以下が挙げられます

人材の不足

DXのプランを立てて着手するための知識を有する指導者、技術者などの人材が不足しています。人材不足の要因として以下があります。

  • 専門スキルを持った人材の不足
    • 高度なデジタルスキルを有する技術者が不足しています。
  • デジタル人材育成の遅れ
    • 経営陣を含めたすべての人のデジタルスキルのレベルアップと、専門人材の育成が必要です。
  • リスキリングの遅れ
    • 既存の従業員をデジタル人材へと転換するリスキリングの取組が遅れています。
      さらに、日本では労働人口が減少傾向であるため、人材不足は今後も続くと予測されています。
      製造業DXを推進するにあたり、企業は自社の人材育成に力を入れる必要があるでしょう。

資金の不足

資金が不足しており、DXへの投資が必要とわかっていても導入できないケースがあります。しかしDXを成功させて生産性が向上すれば業績にもプラスになるため、費用対効果を見極めながらスモールスタートで実績を積み重ねていく対応が求められます。

物の不足

新しいデジタル技術やシステムと古いレガシーシステムが互換性を持たないことが多く、統合が難しいという問題があります。しかし、レガシーシステムの置き換えやアップグレードには多大なコストと時間がかかり、業務に影響を与えるリスクも高いというジレンマが生じます。そのため、段階的な移行計画の策定や、外部専門家の活用などが必要です。

変革への抵抗感

熟練技術者の知識や技術を全体に共有する属人化から標準化への変革は、抵抗をともなうことがあります。また、現在の業務の流れで社員が担当している裁量がシステム改変により減ってしまうときや、大幅な組織改編でも摩擦が起きるでしょう。
DX推進にあたっては、企業が明確なビジョンを掲げ、それを従業員全員で共有することが大事です。

 【MA・SFAを活用】製造業・製造業DXの進め方とポイント

製造業DXの進め方と成果を上げるためのポイントを解説します。

製造業・建設業DXの手順

製造業DXを進める標準的な手順は、以下のとおりです。

STEP1 現状分析

自社の状況を確認し、現状への正しい理解を明確にして、社内で共有します。ひとことで言うと、現状のボトルネックは何か?を明確にします。各部門の業績、現場の設備やシステムの状況を調査するほか、従業員へのアンケートやヒアリングも有効です。

自社のDX必要度を客観的に知るために役立つツールとして、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が「製造分野DX度チェック」を提供しています。

STEP2 目標設定

現状を踏まえ、自社がDXで目指す目標を決め、わかりやすく言語化して社内に共有します。「1年以内に生産ラインの稼働率を15%向上させる」といったように、具体的な数値を用いましょう。

STEP3 DX推進の全体計画を策定

目標達成のために必要な改革項目を整理して、全体の計画を策定します。

STEP4 必要なリソースの確保

DX推進にあたり人材や資金が不足している場合、それをどのように確保するかを決めます。人材の採用、育成、DX支援会社への依頼などの選択肢があります。

STEP5 ロードマップを作成

DXの全体目標をふまえ、具体策を挙げ、優先順位をつけてスケジュールを決めます。たとえば以下のような取り組みがあります。

  • 生産ラインへの管理システム、AIやロボットの導入
  • 部門間のデータ共有・一元化
  • SFA、MAなどのデジタルツールによる業務効率化
  • 営業、マーケティング、人事など各部門の業務改革
  • 人材育成プログラムの実施

いつまでにどの程度達成するかのKPIも合わせて設定します。

STEP6 計画の実行

計画を各現場で実行します。

STEP7 定期的に見直しながらDXを推進

実践してみた経過で順調にいかない部分、問題点が出てくるので、定期的に進捗を確認して、必要な改善を加えながら進めていきます。

製造業・建設業DXを成功させるポイント

製造業でDXを成功させるポイントとして、以下が挙げられます。

スモールスタートで成功例を早く作る
DXは大規模な企業改革ですが、成功する見通しが立てやすい施策から優先して「スモールスタート」で着手することが有効です。そこで早めに成功の実績を作り、社内での共感を得ることで進めやすくなるでしょう。マーケティングDXで集客や売上アップの実績を早く作ることもおすすめです。

ボトムアップと若手人材の活用
経営陣がDXにコミットしつつ、個別のアイデアについては現場からのボトムアップの声を重視し、若手人材を抜擢して裁量を任せながらベテランがサポートすると効果的です。

KPIを適切に設定する
通常業務だけでなくDXでも明確なKPIマネジメントが有効です。QCDをバランスよく改善できるよう、KPIを適切に設定し、達成度を見極めながら進めていきます。

製造業DXの企業事例、シャノンのお客様の製造業のMA活用事例を紹介!

製造業DXを実践している企業の事例、シャノンのお客様でBtoBの老舗ものづくり企業のDX推進事例をご紹介します。

製造業DXの企業事例

製造業DXを推進している企業の事例です。

株式会社LIXIL

「世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現」をビジョンに掲げ、DXによる既存ビジネスの変革、新規ビジネスの開発を進めています。
「従業員の声をきく『LIXIL Voice』の実施」「デジタル部門のアジャイル化」「人材評価制度の改革」などを実践。「LIXIL Data Platform」によりビッグデータを集約・分析して戦略活用するほか、ノーコード開発ツールの導入により、従業員が開発して現在稼働中のアプリ数は2023年3月時点で1500個に達しています。新規事業としてはIoTを活用するスマート・ウォーター・コントローラー「GROHE Sense Guard」、パブリックトイレの清掃を効率化する「LIXIL Toilet Cloud」などを展開しています。

株式会社荏原製作所

グローバル市場で成長することを目標に、「企業風土の改革」「業務効率化」「組織やビジネスモデルの変革」の分野でDXを推進しています。
コンプレッサー・タービンの設計において、パラメトリック3D CADに独自技術を融合させて、顧客の要望に対する基本設計と詳細設計を自動化し、設計リードタイムの短縮と、3Dモデル・図面の均一化によるエラー発生ゼロを実現しました。また、ごみ識別AI搭載の「AIクレーン」、「配管点検ロボット」を開発し、安心安全で質の高いごみ処理サービスを提供しています。

キリンホールディングス株式会社

長期経営構想「KV2027」において、イノベーションのひとつとして「価値創造を加速するICT」を提示。グループ全体でデジタル技術を活用した業務プロセス変革を推進し、効率化と顧客価値創造に取り組んでいます。「DX道場」でデジタル人材育成にも注力しています。
注目の取組としては、AIを活用した「ビール醸造計画自動化システム」の構築による工場の計画業務4,000時間以上の削減、飲食店向けのクラフトビールプラットフォーム「TapMarche」による顧客サービス向上などがあります。

※上記事例は経済産業省が選定する「DX銘柄」より引用

シャノンのお客様から、MAツール導入による製造業DXの成功事例を紹介

製造業DXは企業にとって不可欠です。なかには資金不足や人材不足などに直面する中小企業も少なくありませんが、少ない投資金額でかつ費用対効果の高い改革を少しずつ積み重ねていくことで成長を実現できます。

そのために、売上に直結するマーケティング部門からDXに着手するというのもひとつの選択肢です。
以下は、シャノンのMA導入によりDXの推進を図ったたお客様の事例です。

池田金属工業株式会社

ねじの卸売業として大阪で創業した池田金属工業は、「ねじで世界をよりよく変える。」というミッションのもと、ねじの開発・製造・販売のほか、顧客企業へのソリューション提案も行っています。

以前は展示会への出展やセミナーを開催する事で新しいお客様と接点を持っていましたが、
コロナ禍で展示会や対面セミナーが自粛となったタイミングで、DX推進の一環として、過去のリード情報を管理・活用できるMAの導入を検討。過去の展示会やセミナーで取得したリード情報を活かし、顧客との接点を統合管理する事でより良い提案を行うための基盤構築としてマーケティングオートメーションの導入を決定しました。
これにより顧客情報の一元管理やリード情報の活用を進め、DX推進と営業改革を実現。施策ではブログによる情報発信、メルマガ配信などを積極的に行った結果、相談を寄せる企業が増えていきました。そこから知ることができた顧客ニーズに応えるためスタートさせた新サービス「ねじの技術診断」も好調です。

事例についてくわしくは以下で紹介しています。
浪速の老舗ねじ商社が挑む”ゆるまない”DX推進
シャノン×kintoneで加速する老舗企業のDX

株式会社ベンカン

配管メーカーとして75年の歴史がある株式会社ベンカンは、配管を製造販売するBtoB企業で、「メカニカルジョイント」の技術で知られています。2017年、マーケティングの必要性を感じてシャノンのMAを導入したものの、運用しきれずに1年で解約。しかし、製品ニーズがありながらも営業部門の人手不足で十分にリーチできていないという課題を感じていました。
その後、コロナ禍で対面営業が制約された2020年、MAの再導入を決定しました。2名がマーケティング担当者となり、Webサイト、メルマガ、資料ダウンロードなどの施策を強化。
課題であったリーチについては、スコアリングの設計と運営を行うことで、現在はマーケティングチームから営業チームへの見込み客引き渡しを順調に進められるようになりました。

事例についてくわしくは以下で紹介しています。
必要だったのはマーケティングの社内浸透。老舗メーカー、ベンカンが2度目のシャノン導入

まとめ

本稿のポイントは以下です。

1.  日本では製造業DXが遅れていて、国際競争力向上のためにもDX推進が重要です。

2.  製造業DXで実現できることは、以下の9項目です。
1)属人化していた技術の可視化と共有
2)ひとりあたり生産性向上と人材の最適化
3)集客力の向上
4)製品の価格競争力が向上
5)顧客満足度の向上
6)ダイナミックケイパビリティの確保
7)コアコンピタンスの強化と新規事業への展開
8)GXに向けた事業最適化
9)グローバルな水平分業へのアクセス

3.  製造業DX推進における課題は、人材の不足、資金の不足、変革への抵抗感です。

4.  製造業DXの手順は以下の通りです。
STEP1 現状分析
STEP2 目標設定
STEP3 DX推進の全体計画を策定
STEP4 必要なリソースの確保
STEP5 ロードマップを作成
STEP6 計画の実行
STEP7 定期的に見直しながらDXを推進

MAとSFAのシームレスな連携で、製造・建設業の商談獲得を自動化・効率化する

国産MAと一体化した「商談を増やせるSFA機能」の資料を無料でダウンロードする