Webでの集客の手段として、コンテンツマーケティングが注目を浴び、数年が経ちました。その成功事例として認知され、現在も成長を続ける『LISKUL』は、月間リード獲得数200件以上という数値を誇るサイトです。
お客様からの問い合わせからホットリードを獲得し、成約の確度を高めるコンテンツマーケティングは、有用な手段である一方、制作という課題が生じます。
内製あるいは外注という制作体制の構築。また、継続的にコンテンツを投稿しても反応がないというケースもあり、なかなかスタートを切れないマーケターの方もいるのではないでしょうか。
そうした市況の中、中小・ベンチャー企業の成長支援をデジタルマーケティング、テクノロジー、HRの領域で展開するソウルドアウトが展開する『LISKUL(リスクル)』が、コンテンツマーケティングの次の展開をみせています。
2018年5月にリニューアルを実施。同時に、新サービス『RentaLISKUL(レンタリスクル)』をリリースしました。
情報過多の時代、企業はコンテンツマーケティングひいてはSEOでのリード獲得に取り組むべきなのか。今回は、その課題に対しての答えを、同社の上席執行役員を務める長谷川智史さんに伺いました。
『LISKUL』はどのようにして、現在の地位を獲得したのか。また、これからコンテンツマーケティングに着手するマーケターの心構えについても語っていただきました。
オウンドメディアは一日してならず。2度の失敗から起死回生の出会い
――『LISKUL』がスタートしたのは2014年。立ち上げのキッカケについてお聞かせ下さい。
実はスタート段階ではあまり明確に戦略を立てていたわけではないんです。2013年までソウルドアウトはテレアポで営業活動をしてました。そこからプルで100件、プッシュで100件のリードを獲得しようという事業戦略が立ち上がったんです。まず着手したのはリスティング広告でしたね。
それから半年ほどが過ぎた夏頃からコンテンツマーケティングブームの兆しがあり、リスティング広告だけでなく、外注での記事コンテンツ制作にも取り組みました。これが、『LISKUL』の前身である『初心者ブログ』が誕生したキッカケです。
ただし、これがなかなか上手くいかなくて……。当時のチームで議題に挙がったのは記事の質でしたね。また、他にも海外のニュースを翻訳して配信するニュースサイト『conv(コンブ)』にも着手してみたものの、SEOへの効果はありませんでした。
色々試してみたものの、リード獲得には至らない。2度の失敗からコンテンツマーケティングはダメなのかなって思っていたんです。
ただ、ここで光明が差しました。もう失敗することはできないと諦めかけていたところで、『バズ部』の存在を知り、問い合わせをしてみたんです。
そこで聞いたお話はこれまでの戦略を一変させるものでした。これまでは記事コンテンツをすべて外部に委託していたのですが、『バズ部』の方法論は自分たちで制作をするというもの。
ここからソウルドアウト社内で記事を作って公開する『LISKUL』がスタートしたんです。
サイト公開から5年。中小・ベンチャー企業の支援メディアへ
――コンテンツマーケティングを自社でおこなうときの課題は、体制構築だと思います。初期からどのように作り上げてきたのでしょうか。
立ち上げ当初は、私を含めて9人のメンバーを選抜しました。全員兼務でしたが。この10人が月に2本ずつ記事を執筆する計画を立てたんです。
ただし、選抜されてもモチベーションが上らないメンバーもいると思います。そこで私は、SEOという観点で良質な記事を執筆できるノウハウが身につくということでメンバーたちを鼓舞しました。
会社の仕事を通じて、ライティングスキルを身につけることができる、と。見方を変えれば実際にラッキーだと思うんですよね。僕が選んだ8人以外はノウハウを知ることができないわけですし。また、私のノルマをメンバーよりも多く設定したんです。責任者が背中を見せることでメンバーにも伝わるものがあるじゃないですか。
そうした体制を作り、2014年1月から毎月20本の記事を投稿していたものの、そう簡単に効果は出ないものです。
ただ、『初心者ブログ』『conv(コンブ)』を経て3度目のチャレンジとなった『LISKUL』は精神的に楽な部分もありました。当時、SEOの上位表示を狙うには半年ほどの期間が必要だと分かっていたためです。
地道に記事の更新を続けていった結果、スタートから半年で月間35万PVを実現できました。
――徐々にドメインパワーが上がっていったのですね。ビジネスゴールの達成には結びついていましたか?
半年で問い合わせはあったのですが、記事から直接の問い合わせでは、リードにはつながりません。そこで、ホワイトペーパーを制作してみました。
リスティング広告スタートアップガイド(https://lp.sold-out.co.jp/listingguide_step1)ですね。これは今でもダウンロードできますので、ぜひお目通しいただきたいです。
このホワイトペーパーを配信し、リードの獲得が見込めるようになったのは2014年10月頃。それから2ヶ月が経った2014年12月に、はじめてプルで100件のリード獲得に成功したんです。
それから2015年のプル目標は200に上昇しました(笑)。ただ、その計画も達成し、現在も継続的に200件以上のホットリードを獲得しています。
――2018年5月に『LISKUL』はリニューアルを実施し、『RentaLISKUL(レンタリスクル)』という新サービスも発表しました。この意図をお聞かせ下さい。
『LISKUL』でのリードの獲得は200件以上という数字で安定しました。そこで、何か新しい施策について社内で検討した結果、『RentaLISKUL』をリリースしました。
『LISKUL』の長所はSEOに強いこと。ドメインパワーの高さが価値になります。そこで、「間借りで始めるオウンドメディア」をコンセプトに据えたわけです。
ソウルドアウトは、日本の中小・ベンチャー企業が少額からはじめられるようなサービスを提供したいと考えています。
『LISKUL』というメディアを多くの企業が活用することで、新しい化学反応が生まれると思っています。実際は試行錯誤なんすけどね。
今からでも遅くない。目的から考えてコンテンツマーケティングをはじめよう
――これからコンテンツマーケティングをはじめたいと考えている企業が知っておくべき情報はありますか?
これからでも遅くはありません。コンテンツマーケティングに興味があるのであれば、着手することをお勧めします。
ただ、SEO記事を使ったコンテンツマーケティングが年々厳しくなっているのも事実です。『LISKUL』を始めた2014年頃は半年程度で成果が出ていましたが、2018年では、1年様子を見なくてはならないというのが私の見解です。また、記事数に関しても100記事を投稿してからがスタートという状況になっています。
もちろん、質の悪い記事では検索順位の評価は上がりません。質の高い記事を100記事投稿してはじめて、効果的なコンテンツマーケティングがはじまります。
ここで課題になるのが予算の確保です。短期的な成果ではなく、少なくとも2年のPLを見て判断することをお勧めします。これは私の実体験でもあります。
当時、会社としての目標であるプルで100件のリード獲得を達成するためには、他に方法がないという状況だったんです。リスティング広告、比較サイト。すべてを試しても目標を達成するには数字が足りない。成果を出すためにはコンテンツマーケティングに取り組むしかない状況でもあったんです。
記事を内製する人件費やコンサルタントへのフィー。予算を見積もった結果、見送ってしまったマーケターの方は中長期的な目線でROIを考えてみるといいかもしれませんね。
ちなみに、宣伝ですが、『RentaLISKUL』を使えば、LISKULを間借りする形で月額5万円からコンテンツマーケティングを開始できるので、もっと気軽に取り組めます。BtoBでリード獲得の手法を探されてる方にはピッタリです。
――最後に、コンテンツマーケティングの考え方について伺わせて下さい。
コンテンツマーケティングとは何か。この点を包括せずに考える視点がまず必要でしょう。ソウルドアウトのコーポレートメッセージは共感力のあるメッセージで企業としての認知度向上と賛同者が増えることを目的に作りました。『LISKUL』の場合はリードを獲得することや中小・ベンチャー企業を支援するためのサービスを展開しています。これは、2つともコンテンツマーケティングですよね?
コンテンツマーケティングをやる、やらないという考え方ではなくSEOからリードを取るべきか、ソーシャルから獲得すべきなのか。または、ブランド認知を高めてリーチするのか。手段ではなく、目的から考えることが必要だと思います。
お問い合わせを100件獲得するというのが弊社の目的でしたが、ただ獲得するだけでは意味がないのもビジネスです。リードを獲得して受注した以降も重要になります。それぞれのビジネスモデルやフィールドにあったコンテンツマーケティングがあるはずです。
私自身も『LISKUL』もまだまだこれからの状況。失敗以上に成功がフォーカスされる点もありますので、マーケターの方は臆せずに挑戦する姿勢が大切だと思いますよ。
取材・文:川野優希
最後に、シャノンのマーケティングオートメーションでは、データの一元管理による効率的なリード獲得とナーチャリングが可能です。
また、シャノンコンテンツアシスタントでは、主にセミナー集客メールのタイトルと内容、記事集客メールのタイトルと内容、記事本文の生成が可能です。
⇒マーケティング専用 生成AIクラウドのサービスサイトはこちら