みなさま、こんにちは。
株式会社シャノン マーケティング部のuzukiです。
突然ですが展示会に出展しているBtoB企業のみなさま、当日の声がけが出たとこ勝負になっていませんか?
展示会ってついついブースの造作に注力してしまいがちですが、実は声がけってめっっっちゃくちゃ大事なんです。信じられないかもしれませんが展示会の成果は声がけにかかっているんです。いわば『声がけを制すものが展示会を制す』といっても過言ではありません。
そこで今回は弊社が実際にどんな風に展示会の声がけを改善したか、その成果がどうだったのかについてリアルにお伝えしたいと思います。とんでもないアイディアによるスマートな改善ではなくて恐縮ですが、数字を作るって意外とこういう泥くさ~い(粘り強い)改善の積み重ねではないかと思っています。
株式会社 シャノン マーケティング部 イベント担当
これまでBtoB企業のマーケティング職を複数社経験。2022年株式会社シャノンのマーケティング部へ入社。イベント施策をメインで担当し、ほぼ毎月展示会に出展するなかで他社さんがやっていないような新しいことに取り組もうと試行錯誤中。2022年は4回、2023年は11回リアルイベントに出展。
展示会、実は『声がけ』が鬼門
展示会は出展すること自体が一大イベントですよね。
ブースの施工、販促物、ノベルティ・・・etc。様々な準備タスクに追われるなかで『会期になんとか間に合わせる』。そんな状態になってしまうことも多いのではないでしょうか。前職の私がまさにそうで、人のアサインや物の手配に時間を取られ、無事会期を迎えたらそこでホッとしてしまっている状態でした。
しかし……しかしですよ。
展示会って何のために出ているのか、かけている予算がいくらなのか、というところを改めて考えてみると出展でホッとしている場合ではなかったのです……。一人でも多くの見込み顧客をブースに誘導し商談を生み出さなければ出展する意味がなく、むしろ損害を生み出しているかもしれません!(当時の自分に腹パンチをお見舞いしたい気持ちです)
私も来場者として展示会をよく視察に行くのですが、大規模小間に対して全く来場者が入っていないスカスカのブースを見かけることがたまにあります。あれはかなり危険な状態といえます。費用対効果を考えるとこちらが勝手にドキドキしてしまいます。ブースに来場者を呼び込まなければかけた労力とお金はドブに捨ててるのと同じ。なんとなく出展してお金と労力を無駄にするくらいなら会社で全員一斉にテレアポしまくったほうが成果につながる時間として有益です。
それではどうやってブースに来場者を誘引するか。
それはシンプルに『声がけ』です。
ブースの来場数=声をかける内容×声がけした数 です。
ですが、前述の通り出展準備に追われているなかでなかなかそこまで手がまわらないよ!という企業さまも多いと思います。私もこれまでの経歴のなかでマーケ部として何度か展示会に出展してきましたが、集客はその日にいるメンバーでなりゆきで回してしまっていました。当然、人による差も大きく集客できる人とできない人がいるわけですが、多少モヤっとはしつつ「そういうもの」と思ってしまっていました。
“人によって差が出る=属人的である”
これは展示会出展の成果にブレが生じるということ。同じ人数をアサインしてもその時によって成果が出る時があれば出ないときもある、そんな運任せでは絶対にだめですよね。展示会にかかっている費用は高額な金額で、受注に繋がらなければ売上に大きな影響を及ぼします。(私たちのお給料だって上がらなくなってしまいますよね)
1人のスター選手だけいても展示会というゲームでは勝てません。展示会は団体戦なのでチームのスキルを底上げし、属人化することなく成果が出せるようにならなければいけません。なので、声がけの底上げは急務です。実際に弊社も集客声がけへのアプローチを変えることで展示会の成果が大きく変わったので次章で詳しくお伝えします。
「声がけ」の改善で予想以上の成果が出た
まず声がけを改善した結果についてお伝えします。
【バーコードの獲得数】
目標数字に対して186%の達成率でした。
(集客メンバー1日あたり4名×3日間)
集客の成果を表す数字として今回はバーコード獲得数を指標としました。
(集客の流れとして、声がけ→足を止める→バーコード取得→興味をもっていただいたかたをブースに誘導するため)
メンバーによって多少の差はあるものの、1人あたりのバーコード獲得件数も目標数字に対して125%の達成率だったので、全体の平均値を上げることができた、といえると思います。
それでは声がけの全体平均値を上げるためにどのように課題を分析し改善を行ったのか、下記をご確認ください。
属人を作る3つの壁
展示会の集客声がけが属人的になってしまう要因として以下の3つを上げました。
①マーケ部の意識の壁
②部署の壁
③声がけメンタルブロックの壁
まず①マーケ部の意識の壁です。
先に述べた通り、マーケ部のイベント担当として会期前はブースの造作に注力しがちです。もちろん忙しいのでそれで手いっぱいということもありますが、過去の自分を振り返ると、やりやすいところに手をつけがちだったのかもしれません。でもその注力したブースに来場者を引き込むためには、絶対に声がけが必要なのです。目標数字を達成するためにブースの造作と声がけオペレーションは両軸で考える必要があります。
つぎに②部署の壁です。
接客のヘルプとして営業のかたがアサインされることが多いと思います。この時、営業のかたの意識として「自分は接客するために来た」という前提があると思います。しかし展示会を主導しているマーケ部としては「お客さんをブースに呼び込むところからやってくれたらな」という意識がなんとなくありませんか?この“なんとなく”の状態で相手任せにしてしまうとセールスメンバーとの間にスタンスの乖離が起きてしまいます。何事も察してちゃんは良くないので役割をしっかり分けることが重要です。
さいごに③声がけメンタルブロックの壁です。
アサインされるメンバーによっても来場者へ声をかけるという行動へのハードルが全然違います。今回集客担当になってもらった入社1年目のメンバーに、声がけに対して会期前にどのようなイメージがあったかヒアリングしてみました。
このように同じ23歳でも声がけに対する抵抗感は全然違うのです。
当日の出たとこ勝負で「さあどうぞ!あなたは集客担当なので声がけがんばって!」と言っても、成果にバラつきが出るのは当然のことと言えます。声がけの改善に取り組むために、事前にこのメンタルブロックの壁も突破しておく必要があります。
属人を解消し、集客声がけの平均値を上げるための突破方法
それでは「集客声がけが属人的になってしまう3つの壁」を突破するために決めたことをご紹介します。
①マーケ部の意識の壁の突破
まず会期前に全体スケジュールを決める時にブースの造作とは別に声がけのオペレーションの設計でもやるべきことを洗い出します。
そして弊社の場合はこれまでの展示会で声がけがとても上手だったマーケメンバーを集客声がけ隊長に任命し、メンバーのスキル底上げの旗振りをしてもらうことにしました。
②部署の壁の突破
セールスのかたに対して「集客して欲しいな」となんとなく思うのではなく、最初から役割を分けることが大事です。
弊社の場合は営業のかたは接客に専念していただき、集客担当は入社1年目のメンバーに担当してもらうことにしました。
もし集客担当の人数が足りない場合は外部のコンパニオンさんを依頼するなどして、集客の役割に特化した人員を確保することをおすすめいたします。
③メンタルブロックの壁の突破
会期の1週間前に集客担当に集まってもらって声がけロープレ会を実施することにしました。
このロープレ会は先に述べた声がけ隊長に取り仕切ってもらいます。実際に集客担当メンバーに声を出しつつ行動をイメージしてもらうことが目的です。
それではこのロープレ、どのように実施したか気になりませんか?
声がけは展示会前にロープレすべし
それでは③メンタルブロックの壁の突破として行ったロープレの様子について詳しくご紹介します。
会期の一週間前にセミナールームに集客メンバーを集めて声がけを練習します。想定されるシーンごとに来場者と集客担当で実際に動きながら声がけを反復していきます。
<想定されるシーン>
- 自社ブースへの興味(あり、なし)
- 製品ごと(マーケティングオートメーション、イベント管理システム)
- 出展社と来場者
- 施策ごと(事前DM送付、朝の時間帯の出展社向け施策)
その様子はさながら映画の撮影のようです。
イベント担当:「シーン1、出展社が来たとき!スタート!」
集客メンバー:「出展社のみなさま、おはようございます。ただいま缶コーヒーを差し上げておりまして・・・・・・」
イベント担当:「カット!もっと元気よくいこう!」
展示会の会場での動きを想定して身体を動かし来場者にアプローチしてもらい、一番フィットする声がけを集客担当メンバーに選んでもらって進めていきます。
<メンタルブロックの突破>
慣れていないメンバーにとって展示会の声がけは最初少し戸惑うものです。どんな言葉ならお客さんの興味を引けるのか、どのくらい積極的に行っていいのか、声がけ隊長やイベント担当がメンバーにアドバイスし、実際にかける言葉は集客担当に選んでもらいます。
ここでも声がけへの抵抗感を少しでも減らしてもらうため集客担当のメンバーをサポートします。
声がけ隊長:「お客様は展示会に情報を収集をしに来てるよ!街中のキャッチじゃないので、話しかけて情報をご提供するスタンスでいこう!」
イベント担当:「私も展示会に行ったときに、詳しく話を聞きたいのに全然来てくれないことがあるよ。逆にもっと積極的にどんな製品なのか教えて欲しいよ!」
集客メンバーに対してお客さんは通り過ぎていくのが当たり前だという前提を伝え、足を止めてもらうための『引き』について考えてもらい、どんどん実践することでメンタルブロックを外してもらうように心がけました。
後日、集客メンバーにヒアリングしたところ、このロープレをすることで他の人の声がけを見ることができ、「あ、〇〇さんのような声がけもアリなんだな」と気付きが得られ、選択肢が増えたという感想もいただきました。
さいごに 声がけが改善されたら“上がり” ではない
このような泥くさ~い地道な声がけの改善によって、集客数の全体平均値を上げるという目的は達成することができました。
声がけって実はすごく重要なポイントで、ボトムの集客数が増えないとどんなに頑張ってもトップの商談数は増えていきません。そう考えるとこの声がけが展示会の成果に直結する重要なポイントだとご理解いただけると思います。
展示会は準備に追われがちですが、この数字に直結するポイントを見抜いて改善していかないといけないなと実感しました。また今回のように属人化を防ぐ仕組みを作っておくと、外部のコンパニオンさんに依頼した時にも応用が利くので有益な仕組みづくりだったと思っています。
細かい改善を重ねることで展示会の費用対効果はもっともっと上げていくことが出来ると思います。「こんな細かいところも改善しているんだな」と少しでも参考にしていただけたら嬉しいです。「展示会の改善に取り組みたいけど余裕がなくて……」と思っているかたもいるかもしれませんがこの記事をシェアして改善の一歩を踏み出していただけたら嬉しいです。
みなさまの展示会出展が成果につながることを願っております。
【追伸:リアルな裏側日記】
ここで終わればきれいな話なのですが、リアルな裏側をお伝えすると実は会期初日は接客数が増えず苦戦しました。
集客(バーコード獲得)が出来ていても接客数がなかなか増えない、こういうこともあるんですよね……。集客メンバーでお客様の足を止められているのに接客に繋げられていない、この課題に対して1日目の終わりにみんなで集まってMTGを開き、必死にアイディアを振り絞りました。(下図参照:集客2名と接客1名でバディ制にしたり、営業の立ち位置を指定したり)
その結果、2日目からは接客数も増やすことができました。このあたりのブース内のポジショニングの改善についてはリクエストがあればまた改めて記事化したいと思います。
1つ新しいことが出来てもまた次の課題が出てくるので展示会の改善の道はまだまだ続きます。
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今回の記事はいかがでしたでしょうか?
感想やみなさまの会社で行っている展示会の工夫などあれば教えていただけますと幸いです。X(旧Twitter)で投稿いただく際はハッシュタグ #シャノンのブログ も添えてポストいただけるとうれしいです。シャノン公式アカウントから「いいね」させていただくかもしれません。
▼「展示会からの商談をもっと増やしたい!」とお考えのみなさま
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