休眠顧客が復活するウェビナー活用術みなさま、こんにちは。シャノンの中村です。

多くの企業にとって、休眠リードの掘り起こしは大きな課題です。しかし「本当に休眠リードを掘り起こせるのか?」「効果的な施策は何なのか?」といった疑問を抱えている方も少なくありません。

この記事では、過去にシャノンのウェビナーでご紹介した、休眠リード掘り起こしの具体的な方法と、その中でウェビナーが果たす重要な役割についてまとめました。

休眠リードの「見える化」が成功の第一歩

シャノンの実績データによると、リード獲得から商談発生までに1年以上かかった休眠リードからの受注が、全体の約29%を占めています。

これは、休眠リードのなかにも潜在的な顧客層が存在することを示しています。

掘り起こし可能な休眠顧客

休眠リードを見える化する方法

休眠リードを効果的に掘り起こすためには、まず状況を「見える化」することが不可欠です。

具体的には、以下の3つの情報を一元管理することで、リードの動きを把握し、適切なアプローチを検討できます。

  • 初回接点の日時
  • 施策の接点日時
  • 商談・受注日時

これらの情報を管理することで「実は休眠リードが掘り起こせていた」というケースや、「成果が出ている施策を誤ってやめてしまっている」というもったいない状況を防ぐことができます。

もし商談発生までデータが取れない場合は「営業にパスしたタイミング」を管理の指標にすることも有効です。

間接効果の見える化が重要

BtoBマーケティングでは、一度の施策でリードがすぐに商談に至ることは稀です。複数の接点を経て、最終的な成果につながることが多いため、間接効果の見える化も非常に重要です。

例えば、メルマガで情報を得て、ウェビナーに参加し、最終的に資料請求から商談に至ったケースを考えてみましょう。

複数の施策を経て商談化

最終接点である資料請求だけを評価し、ウェビナーの貢献度が見えない場合、ウェビナー施策を停止してしまう可能性があります。

しかし、実際にはウェビナーがなければ資料請求に至らなかったかもしれません。

間接効果を可視化する重要性

シャノンのデータによると、最終的な受注につながったお客様の多くが、その過程でウェビナーに参加していることがわかっています。

ウェビナーが直接的な最終接点となることは少なくても、間接的に商談や受注に貢献しているケースが非常に多いです。

ウェビナーの間接効果

休眠リード掘り起こしに最適な施策は「ウェビナー」

さまざまな施策が考えられる休眠リードの掘り起こしにおいて、シャノンがおすすめするのはウェビナーです。

その理由を他の施策と比較しながら見ていきましょう。

展示会は新規リード向け

展示会はリード獲得に非常に効果的ですが、シャノンのデータによると、展示会で獲得できるリードの約8割が新規リードです。

そのため、展示会は既存リードの掘り起こしよりも新規リードの獲得に向いた施策といえます。

新規顧客獲得に適した展示会

また、開催頻度やイベント内容を自社でコントロールできない点も、掘り起こし施策の柱とするには不向きです。

資料請求は比較検討フェーズ向け

前提として、資料請求は既にサービスや製品の比較検討フェーズに入っている顧客が取る行動です。

資料請求で掘り起こすときの問題点

そのため、休眠リードを掘り起こすための「きっかけ」としては弱く、むしろ掘り起こされた結果として資料請求に至る、という順序になります。

資料請求は最終接点としては有効ですが、中間的な掘り起こし接点とはいいづらいでしょう。

ホワイトペーパーよりウェビナーが優位な理由

ウェビナーと同様に「関心フェーズ」の施策として考えられるホワイトペーパーですが、ウェビナーの方が掘り起こしには優れています。

  1. 読まれないケースが多い:ホワイトペーパーはダウンロードされるものの、実際に最後まで読まれていないケースが6〜7割に上ると言われています。
  2. 情報伝達の効率: アメリカのコーネル大学の調査によると、対面で話す方が文章だけで伝えるよりも34倍物事が伝わり、1週間後にも記憶に残りやすいとされています。ウェビナーは、この「面と向かって話す」に近い形で情報を届けられるため、深い理解と記憶定着につながります。

対面接点の重要性

リード獲得にはホワイトペーパー、掘り起こしにはウェビナーと、目的に応じた使い分けが重要です。

ウェビナー活用ガイド:集客・ネタ出し・フォローの秘訣

ウェビナーが休眠リード掘り起こしに有効であると分かったところで、具体的な活用方法を見ていきましょう。

効率的なウェビナー集客術

多くの企業がウェビナー集客に課題を感じています。効果的な集客には以下の工夫が不可欠です。

  • 製品ウェビナーと関心ウェビナーに分ける
    • 関心ウェビナー: お役立ち情報に特化したもの
    • 製品ウェビナー: 製品紹介に特化したもの

ウェビナーは目的に応じて2つを使い分ける

このように分けることで、関心ウェビナーは集客数を増やし、製品ウェビナーはアポ率を高めることができます。

  • セグメントメールを3回送る: 以下の3種類のメールを送ることで、配信停止率を抑えつつ集客率を大幅に向上させることができます。
    1. メルマガ: 幅広いリストに送信
    2. 単独メール: メルマガから申し込みに至っていないが、1年以内にWebアクセスのある人に送信。一つのウェビナー情報のみに特化し、LPの内容をそのまま反映する形式が有効です。
    3. 直前再案内メール: 単独メールからも申し込みに至っていないが、LPにアクセスした人に送信。

送るタイミングは、2週間前にメルマガ、1週間前に単独メール、前日に直前再案内メールがおすすめです。

当日のメールは集客への影響が少ないため、余裕を持って前日に送るのが良いでしょう。

ネタ出しは事後アンケートを活用

「ウェビナーのネタがない」という悩みもよく聞かれますが、これは事後アンケートを効果的に活用することで解決できます。

「役に立った内容」を聞く:
ウェビナーの各セクションごとに、「どの内容が役に立ったか」を質問することで、参加者のニーズを具体的に把握できます。

例えば、集客に関するウェビナーであれば、「メールでの集客」「SNSでの集客」など、具体的な項目を設定します。

この結果を分析することで、最もニーズの高いテーマを次回のウェビナー企画に活かせます。

アンケートからウェビナーのネタを企画

「顧客の課題」をダイレクトに聞く:
「現在、どのような課題をお持ちですか?」といった質問で、顧客の生の声を聞き出します。

例えば、展示会のウェビナーで「費用対効果が見えにくい」という課題が多ければ、次回は「展示会の費用対効果改善」に特化したウェビナーを実施するなど、深く掘り下げた内容で集客を増やすことが可能です。

状況調査でわかる仮説のずれ

ウェビナー参加者への効果的なフォロー

関心ウェビナーは、営業担当がフォローしにくいと感じることもあります。そこで、フォローリストの内容と展開のタイミングを工夫しましょう。

  • フォローリストのリッチ化: 営業に展開するリストには、名刺情報やアンケート回答だけでなく、以下の情報を加えてリッチ化することで、営業がより質の高いフォローを行えます。
    • ウェビナーの視聴時間
    • 直近のウェブページの閲覧情報
  • フォローリスト展開のタイミング: いきなり自動通知するのではなく、まずは営業会議に合わせて手動でリストを共有し、営業部門との連携の素地を整えることが重要です。
  • 製品ウェビナーへの素早い誘導: 関心ウェビナー参加者を製品ウェビナーへ誘導するためには、以下の工夫が有効です。
    • 事後アンケート完了画面でのポップアップ誘導
    • 当日中のサンクスメールでの誘導
    • 見逃し視聴の提供:
    • 過去の関心ウェビナー参加者への案内

製品ウェビナーへの案内方法

これらの施策をサイクルとして回すことで、製品ウェビナーの参加者数を大幅に増加させることが可能です。

まとめ

休眠リードの掘り起こしは、適切なアプローチと「見える化」によって十分に可能です。

  • 初回接点、マーケティング接点、商談、受注情報を一元管理し、見える化する。
  • 最終接点だけでなく、間接的な接点も管理し、施策の全体的な貢献度を把握する。
  • 休眠リードの掘り起こしには、間接効果が高く、対面に近いコミュニケーションが可能なウェビナーが最も有効。
  • ウェビナーは、製品と関心で内容を分け、セグメントメールを複数回送ることで集客を強化する。
  • ウェビナーのネタは、事後アンケートで参加者の「役に立った内容」や「課題」を直接聞くことで効果的に発掘する。
  • フォローリストは視聴時間やWeb閲覧情報でリッチ化し、営業会議に合わせた手動での展開から始める。
  • 関心ウェビナーから製品ウェビナーへの誘導は、迅速かつ多角的なアプローチで行う。

 

最後に、シャノンのマーケティングオートメーションでは、データの一元管理による効率的なリード獲得とナーチャリングが可能です。


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