コラムとは、ニュース記事が客観的であるのに対して、主観を交えた文章のこと。
そして企業コラムは、企業の主観、意見を伝える文章のことです。シャノンのブログ内でも定期的に企業ブログを掲載しています。

本記事では、コラムの意味、エッセイとのちがいなどの基本から、企業コラムの目的や書き方のコツまでを順に解説していきます。

コラムとは?

コラムの意味と特徴を確認します。

コラムの意味

コラムはテキストコンテンツの一種です。
コラムの歴史は古く、1751年にイギリスの新聞で連載されたのが始まりとされています。また、コラムの英語「column」とは元は「柱」「縦」という意味で、横にレイアウトされた英語の新聞の中で縦にとったスペースで書かれたことが由来です。

コラムとは、事実を伝える一般的な記事と違い、個人の感想や意見を主な内容とする文章のことです。

コラムの具体例については新聞を例にとるとわかりやすいです。
新聞の多くを占めるのは、出来事を正確に伝える「ニュース記事」です。そのなかで一部、短い評論や意見を掲載している文章が「コラム」です。他の記事との違いがわかりやすいよう、英文字の新聞の中では縦組みレイアウトにして囲み記事などで掲載します。

日本の新聞は縦書きなので、「コラム」は横組みで配置することが多いです。具体的には、有名な「天声人語」「編集手帳」「春秋」などがコラムです。
新聞のほか雑誌、書籍、Webメディアでもコラムは掲載されます。

コラムの特徴

コラムには、個人の感想や意見を述べるという他にもいくつかの特徴があります。

《コラムの特徴》

個人の感想や意見が主な内容
前述したように、個人の感想や意見を述べる内容であることが多いです。そのため、コラムには執筆者の署名が入ることが一般的です。コラムを専門に書く人のことをコラムニストといいます。

内容の自由度が高い
最初に、コラムには主に意見を書くと書きましたが、実はそうでないコラムでも問題ありません。たとえば、筆者が見聞きした出来事、体験したことなどを文章化したコラムもあります。逆にニュース性の高い内容を扱うこともあります。内容の自由度が高いこともコラムの特徴です。

文体やテーマが柔らかい
コラムが掲載されているメディアのなかの他の記事と比較して気軽なテーマ、柔らかくて読みやすい文体にすることが多いです。

定期連載されることも多い
メディアの中の決まった位置に一定のフォーマットで定期的に連載される形をとることが多いです。この場合、コラム欄がわかりやすいようタイトルが付いたり、ロゴが付記されたりします。

コラムと記事、ブログ、エッセイなどとの違い

コラムと似た用語として、記事、ブログ、エッセイ、論説などがあります。これらの言葉の意味のちがい・使い分けについても合わせて理解しておきましょう。

特徴
コラム 個人の意見が主な内容 天声人語、雑誌の連載コラム、書籍の囲み欄
エッセイ 自由に思いや意見を書く文学の形式。散文、随筆 文筆家が自分の体験や思いを表現した文章

個人が思いを表現した文章

ブログ Web上で記事やエッセイを含む情報を投稿する 《企業》 「サイボウズ式」「北欧、暮らしの道具店」

《個人》芸能人ブログ、料理ブログなど

記事 事実を正確に伝える 新聞や雑誌の記事
論説 主張や見解を明らかにする 新聞の社説や書評、文芸春秋の投稿

エッセイ
コラムとエッセイは自由な意見を書くという点で似ていますが、コラムは情報メディアに掲載されることが多いのに対して、エッセイは文学のカテゴリのなかでの分類です。文学には小説、ノンフィクション、詩などと同列でエッセイというジャンルがあります。
また、英語圏ではほかに、学校の課題として書く論文のこともエッセイと呼びます。

ブログ
ブログとはWeb上で個人や企業が継続的に情報を発信するメディア全般のことです。ブログのコンテンツとしてコラム、エッセイ、記事が含まれます。個人が主にエッセイを投稿しているブログ、企業が記事をメインとしながらコラムも掲載するブログなどがあります。

記事
事実・出来事をさまざまなかたちで伝えるコンテンツを記事といいます。広い意味ではコラムやエッセイなどを含めたメディアコンテンツすべてを記事と呼んでいる場合もあります。

論説
論説とは主張や見解を明確に伝える文章のことです。自由に書くコラムと違い、明確な根拠を示しつつ論理的に見解を述べる形をとるため、コラムより長くなることが多いです。

企業コラムとは

一般的なコラムと違い、企業コラムには明確な目的があります。企業コラムの実例と目的、SEO記事との違いについて解説します。

企業コラムとは? 具体例を紹介

企業コラムとは、企業がオウンドメディアやSNSなどに掲載するコラムです。
一般的な「コラム」と同じように、企業から発信したい意見を書くことのほか、企業側からユーザーへ向けて伝えたい情報を発信することもあります。

企業コラムとは実際にどんなコンテンツなのか? の実例としては、以下URLを参照ください。
https://www.shanon.co.jp/blog/entry/category/shanon-article/

シャノンのブログのなかで、「シャノン執筆記事」のタグが付いているものが、企業コラムにあたります。

さらに個別の例を挙げるなら、以下のような記事です。

【BtoB展示会】目指したのはド〇キ?シャノン流ちょっとおかしなブースの作りかた

上記のようなコラムは、ユーザーが検索したときに出てくるようなコンテンツではありません。しかしシャノン側からユーザーに伝えたい情報として掲載しています。

この例のように企業コラムは、オウンドメディアなどでユーザーの知りたい情報を届ける一般記事とともに掲載されることが多いです。互いに関連性の高いコンテンツにリンクを貼ることにより、欲しい情報を得ようとしてWebサイトを訪れたユーザーが自然にコラムを読むように誘導することも可能です。

企業コラムの目的

企業コラムの目的は、以下のとおりです。

製品や事業について伝える
ユーザーに知ってもらいたい自社製品の優れた点、特徴ある企業の取り組み、社内の人の情報などを紹介します。製品について理解を深めてもらうだけでなく、専門性をアピールして信頼度をアップさせたり、製品や企業に親近感を持ってもらったりする効果があります。

ブランディング
「新しいことに挑戦している」「顧客志向の商品開発をしている」「組織に活気があり成果を出せている」などのことがわかる具体的な情報を発信することにより、製品と企業のブランディングに寄与します。

ファンを増やす
読んでためになる情報や面白いコンテンツを提供することによりファンを増やします。

リードナーチャリング
企業コラムの重要な目的はリードナーチャリングです。「製品名だけ知っている」「今のところ購入予定はない」というようなリード(見込み客)に対して定期的・継続的に情報を届けることにより、購買意欲を高めます。

リードナーチャリングについてくわしくは以下の記事を参照してください。
参考:リードナーチャリングとは?成果を出す7つの手法や成功事例を紹介

企業コラムとSEO記事のちがい

企業コラムとSEO記事は目的がちがいます。比較したものが以下です。

企業コラム 一般的なSEO記事
目的 自社と製品について理解を深めてもらう

ブランディング、ファン化

リードナーチャリング

検索上位表示を目指す

リードジェネレーションのほか、リードナーチャリング目的もある

特徴 書き手の意見や感想を述べる

自由な形式で書いてもよい

面白い・ためになる情報が求められる

検索キーワードを意識して書く

ユーザーニーズに応える内容

網羅的で正確な情報が求められる

タイトル例 意外な企業コラムがバズった話 企業コラムとは?意味や目的をわかりやすく解説

企業のオウンドメディアに掲載する記事は、SEOを意識します。ユーザーが検索するキーワードを選定し、ユーザーニーズに的確に応えるコンテンツを整えます。この方法により、自然検索で見つけてくれるユーザーを集客すること、つまりリードジェネレーションが重要な目的です。しかしSEOを意識した記事であっても、オウンドメディアなどで多様なコンテンツを提供することにより、リードの興味関心を引き上げるリードナーチャリングの役割も果たします。

一方、企業コラムはSEOとリードジェネレーションを目的としていません。
すでにオウンドメディアを訪れたことがある読者に対して、興味・関心を引き上げるような情報を届けるリードナーチャリングが主な目的です。

ただし、企業コラムがSNSなどで話題になって多くの人の目にとまり、結果的にリードジェネレーションに寄与することはあります。

読まれる企業コラムを書くコツ

企業コラムは、まず読んでみようと思わせること、次には読み終えたあとに読んでよかった、また次も読んでみたいと思わせることが大事です。そのためのコツを整理します。

タイトルと書き出しのインパクトが重要

読みたいと思わせるにはまず興味を引くタイトルをつけることが大事です。
良いタイトルはコラムの内容を簡潔に表すとともにインパクトがあるものです。ただ、SEOを意識する必要がある他の一般的な記事ほど神経を使わなくてもいいでしょう。「コラムで伝えたいこと」を簡潔なタイトルに落とし込みます。

本文の最初の部分も重要です。今から興味深い内容を伝えるということがわかりやすく紹介されている必要があります。前置きが長すぎるのも避けましょう。

以下はメルマガタイトルについてくわしく解説した記事です。ABテストの結果など、コラムのタイトルを決めるときにも参考になる内容となっています。
参考:【サンプル付】クリック率が高いメルマガタイトル(件名)は?ABテストでよかった件名と作り方を解説!

内容は1つに絞ってわかりやすく書く

一般的な記事では何らかのテーマについて解説する場合にはかなり長文になりますが、企業コラムは意見などを伝えるものなので長すぎないことも大事です。伝えたい内容は一つに絞り、わかりやすく簡潔、明確に伝えます。

また、企業コラムでは製品の紹介をするときなどに専門用語を多用して難しくなってしまうことがありますが、これも避けたいパターンです。専門性が高く難しい内容について伝えるときには、わかりやすい要約を添えるといいでしょう、

共感とおもしろさが大事

意見が読み手にしっかり伝わるためには、「そうそう、その通り!」と読み手に思ってもらえること、つまり共感が大事です。それには最初の導入部分で日常のお悩み、体験談などに触れると効果的です。読み手が内容についてイメージしやすくなり、自然な共感を喚起します。

一般的な解説記事の場合には読者が知りたい部分だけを読んで離れてしまっても問題はないですが、企業コラムはできるだけ最初から最後まで読んでもらう必要があり、そのためには読んでおもしろいことも大事です。ストーリー性を意識したり、わかりやすいたとえ話を工夫したりします。共感してもらえそうなテーマを選ぶことも重要です。

見た目の読みやすさを整える

適度な段落分け、改行、箇条書きを取り入れて、読みやすくします。
また、必要に応じてイラストや表、グラフを追加しましょう。

企業コラムの構成

企業コラムによく用いられる構成について解説します。

PREP法

最も基本的で誰でも書きやすいコラムの構成はPREP法です。PREPとは以下のような構成です。

Point(結論)  まず伝えたい結論を述べる
Reason(理由) なぜその結論なのか、理由を述べる
Example(例) 具体例やデータで理由を補強する
Point(結論) 結論について再確認してまとめる

最初に結論が示されるので読者も迷うことがなく、自然で読みやすい文章になります。

起承転結

次によく用いられるのが「起承転結」です。

起(導入)  テーマを提示する、読者に問いかけをする
承(展開) 「起」のテーマをくわしく述べる、掘り下げる
転(転換、根拠) 違う視点から述べる、根拠を述べる、重要なことを伝える
結(結論) 「転」までをふまえた結論を述べる

「転」の部分では「起」や「承」とは違った側面を紹介したり、反対の見方もあることを示したり、「起」「承」よりさらに重要な事実を提示したりします。最後にそれらをまとめた結論を提示します。

起承転結は元々ストーリーテリングの構成方法で、企業コラムには4部構成がなじまないこともあります。
そんな場合には次の「序破急」がおすすめです。

序破急

言いたいことを簡潔に述べたい場合に、3部構成の「序破急」が使いやすいこともあります。

序(導入)  テーマを示して読者を導く
破(本論) テーマについて話題を広げる
急(結論) 結論を述べる

シンプルな構成でわかりやすくまとめることができます。

その他(ランキング、〇〇してみた)

企業コラムには、上記3つの構成とは別に、よく用いられるパターンがあります。たとえば、「ランキング」「○○してみた」などです。

ランキング
特定のテーマについてランキング形式で結論を紹介する方法は、読まれやすい手法のひとつです。
「集客力があるウェビナーのテーマ、ベスト3は?」
「休眠顧客対策でやっておきたい3つのこと」
のように、ランキングを集計して紹介するほか、要点を数字で絞り込んでタイトルに盛り込む手法もあります。

〇〇してみた
新しい製品やサービスを試してみたり、業務改善を行ったりした体験をそのままコラム記事にする方法です。タイムリーなテーマであれば興味を引きやすく、体験した人の良かった、悪かったという率直な感想は読者の共感を喚起しやすいです。

企業コラムの基本は意見を提示するものですが、上記2例のようなコラムもリードナーチャリングやブランディングに有効であり、活用されています。

まとめ

本稿のポイントは以下です。

1. コラムは個人の感想や意見を伝える文章のことです。新聞でいうと「天声人語」「春秋」などがコラムです。

2. コラムの特徴は以下です。
・個人の感想や意見が主な内容
・内容の自由度が高い
・文体やテーマが柔らかい
・定期連載されることも多い

3. 企業コラムとは、企業の意見やユーザーに伝えたいことを書く文章です。その目的は以下です。
・製品や事業について伝える
・ブランディング
・ファンを増やす
・リードナーチャリング

4. 読まれる企業コラムのコツとして、以下があります。
・タイトルと書き出しのインパクトが重要
・内容は1つに絞ってわかりやすく書く
・共感とおもしろさが大事
・見た目の読みやすさを整える

5. 企業コラムの構成方法として、以下があります。
・PREP法
・起承転結
・序破急

最後に、シャノンのマーケティングオートメーションでは、データの一元管理による効率的なリード獲得とナーチャリングが可能です。


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