マーケティングご担当者の皆様は、日々の業務のなかで「ファーストパーティデータ」という言葉を耳にする機会が増えているのではないでしょうか。

「サードパーティクッキーが使えなくなるらしいけど、うちはどうすれば…」

「なんとなく重要そうだけど、具体的に何のことで、どう活用すればいいのかわからない」

本記事では、ファーストパーティデータの基本的な意味から、なぜ今その価値が高まっているのか、そして明日から始められる活用法まで、順を追って解説していきます。

 

そもそも、ファーストパーティデータとは?

ファーストパーティデータとは、企業がお客様から「直接」収集した情報のことです。

ここでのポイントは、第三者を介さず、自社で直接集めた「一次情報」であるという点です。

例えば、自社の店舗でお客様と直接会話して得た情報が、最も信頼できる情報であるのと同じです。

デジタルマーケティングの世界では、以下のようなものがファーストパーティデータにあたります。

  • 自社サイトのフォームからお問い合わせいただいたお客様情報
  • メールマガジンを購読している方のメールアドレス
  • セミナーにお申し込みいただいた方の役職や企業名
  • 自社サイト内でのページの閲覧履歴

これらはすべて、お客様が自らの意思で、あるいは同意の上で提供・開示してくれた、信頼性の高い貴重な情報といえるでしょう。

なぜ今、ファーストパーティデータが重要視されるのか

では、なぜこれほどまでにファーストパーティデータの重要性が叫ばれているのでしょうか。

その背景には、「サードパーティクッキーの規制」という大きな環境の変化があります。

サードパーティクッキーとは?

ユーザーが訪問しているサイトとは異なるドメイン(第三者)が発行するファイルのこと。

複数のサイトを横断してユーザーの行動を追跡し、「この人は何に興味があるのか」を分析するために利用されてきました。
リターゲティング広告などが、その代表的な活用例です。

プライバシー保護の世界的な高まりを受け、このサードパーティクッキーの利用が、Google Chromeをはじめとする主要ブラウザで段階的に廃止されます。

これは、これまで多くの企業が頼ってきた「知らない間にユーザーを追いかける」広告手法が、通用しなくなることを意味します。
そのため、お客様の同意に基づき直接収集したファーストパーティデータを軸としたマーケティングへの転換が急務となっているのです。

ファーストパーティデータを活用する3つのメリット

ファーストパーティデータを活用することで、企業は具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか。

メリット1:マーケティング施策の精度が向上する

最大のメリットは、その「質の高さ」です。お客様が直接提供した情報や、自社サイトでの実際の行動であるため、データとしての信頼性が非常に高いのが特徴です。

「おそらく~に興味があるだろう」という推測ではなく、

「このテーマの資料をダウンロードした」という事実に基づいてアプローチできるため、施策の精度が格段に向上します。

メリット2:お客様との良好な関係を構築できる

ファーストパーティデータは、お客様からの信頼の証でもあります。

そのデータを活用して、一人ひとりの興味やニーズに合わせた情報提供を行うことで、「自分のことを理解してくれている」という顧客満足度の向上につながります。

これは、継続的な関係構築の礎となるでしょう。

メリット3:プライバシー規制に対応できる

お客様の同意に基づいて正しく収集されたファーストパーティデータは、個人情報保護法などの法規制に準拠しています。

コンプライアンスを遵守した、健全なマーケティング活動を実現することができます。

ファーストパーティデータの収集と活用のステップ

では、実際にファーストパーティデータをどのように集め、活用していけばよいのでしょうか。

ステップ1:データ収集の「入り口」を設ける

まず、お客様が情報を提供したくなるような、以下のような価値ある「入り口」を用意することが重要です。

  • お役立ち資料(ホワイトペーパー)のダウンロード
  • オンラインセミナー(ウェビナー)への参加登録
  • メールマガジンへの登録
  • お問い合わせフォーム
ステップ2:MAツールなどでデータを一元管理する

様々な入り口から収集したデータを、Excelなどでバラバラに管理していては、有効に活用できません。

MA(マーケティングオートメーション)ツールなどを活用し、顧客情報と行動履歴を一元管理することが、データ活用の第一歩です。

ステップ3:データを基に、最適なアプローチを行う

一元管理されたデータを分析し、お客様の検討段階や興味関心に合わせたコミュニケーションを実行します。

例えば、

  • 料金ページを何度も見ているお客様には、導入事例や見積もりのご案内メールを送る。
  • 特定のセミナーに参加したお客様に、関連するテーマの次のご案内を送る。

といったように、集めたデータを「活用」してこそ、その価値は最大化されます。

 

おわりに

今回は、ファーストパーティデータの基本的な考え方と、その重要性について解説しました。

サードパーティクッキーの規制は、マーケターにとって大きな変化ですが、見方を変えれば、表層的なターゲティングから脱却し、お客様一人ひとりと深く向き合う「本質的なマーケティング」を実践する好機です。

その中心にあるのが、お客様との信頼関係の証であるファーストパーティデータなのです。

シャノンでは、ファーストパーティデータの収集から管理、そして活用までを一気通貫で支援するMAプラットフォームを提供しています。

これからの時代のマーケティング基盤の構築に、ぜひお役立てください。

最後に、シャノンのマーケティングオートメーションでは、データの一元管理による効率的なリード獲得とナーチャリングが可能です。


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